- #1
- #2
プロ野球PRESSBACK NUMBER
ドラフトウラ話《オリックス2位指名》大阪桐蔭エースは“複雑な表情”で親友を語った…主将がまさかの指名漏れ「あまりに酷です…」部長もポツリ、記者が密着
text by

柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byYuji Yanagawa
posted2025/10/27 11:02
オリックスからドラフト2位指名を受けた森陽樹。右は同校野球部の西谷浩一監督
「教え子がドラフトにかかったら嬉しいですし、かからなかったからといって、野球人生が終わるわけじゃない。新たなスタートの日であると思っています。高校に入学する時には全員がプロを目標にしています。もちろん、全員がプロなんて無理なんですけど、誰がどのタイミングで伸びるかはわからない。大阪桐蔭を卒業するタイミングでは難しくても、大学や社会人を経てからプロに行くことを目指して、みんなが頑張ってくれている。できるだけ長く野球を続けて欲しいと願っている指導者としてそれは嬉しいことです」
ウラ側「育成指名はお断りしていました」
全12球団の支配下指名が終わった段階で、西谷監督と中野は待機していた控え室を退去した。つまり、その後に行われる育成ドラフトで指名されたとしても入団する意思はないということだ。西谷監督が続けた。
「育成での指名はお断りしていました。(指名漏れが決定した瞬間の中野は)『ありがとうございました』と。本人の中では踏ん切りをつけたと思います。気持ちの強い子ですし、高校からプロに行くことにこだわった子。今回はご縁がありませんでしたけども、中野のことなので、また明日から次に向けてしっかりやってくれると信じております」
ADVERTISEMENT
宮崎県の延岡市に生まれ、創部されたばかりの聖心ウルスラ学園聡明中学校の軟式野球部に入部し、3年時には全国大会に出場した森に対し、大阪の中学硬式野球で名を馳せたのが中野だった。育った環境も志した野球も異なる両者だが、大阪桐蔭に進学した理由は同じで、ここがプロ野球の世界に最も近い場所だと信じられたからだ。
いつも一緒だった中野と森
大型右腕という点でも共通するふたりは、2023年4月の入学から、いつも一緒だった。寮の部屋割りだけでなく、ブルペンでも隣同士で投げることが多く、常に比較しあい、比較され続けてきた。

