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ドラフト指名漏れ球団の残酷な現実「お待たせしたのに申し訳ない」くふうハヤテ社長が記者の「オイシックスには指名が…」質問にポツリ本音

posted2025/10/27 11:01

 
ドラフト指名漏れ球団の残酷な現実「お待たせしたのに申し訳ない」くふうハヤテ社長が記者の「オイシックスには指名が…」質問にポツリ本音<Number Web> photograph by Jun Aida

会見でドラフト会議を見守った、くふうハヤテの(左から)宮路投手、池田球団社長、仲村内野手

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間淳

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 午後8時6分。最後まで指名を続けていたソフトバンクの「選択終了」がドラフト会場でアナウンスされる。その様子をスクリーンで確認した3人は席を立ち、無言で控室へ向かった。ドラフト開始から3時間以上が経っていた。

くふうハヤテの社長と2選手が会見に出たが

 ウエスタン・リーグに参入して2年目のシーズンを終えたくふうハヤテベンチャーズ静岡はドラフトに備え、本拠地のある静岡市の会議室に記者会見場を設けた。その席には、池田省吾球団社長と選手2人が座った。1人は宮路悠良投手、もう1人は仲村来唯也内野手。ともに、NPB球団から調査書が届き、ドラフトで指名される可能性があった。

 特に、身長186センチ、体重90キロの恵まれた体から最速158キロの速球を投じる宮路投手には、球団史上初となる支配下登録の指名も期待されていた。ドラフト開始から15分ほど経過した午後5時6分。宮路投手本人も昂ぶりや緊張を抑えるように、ポケットからハンカチを取り出して両手でギュッと握りしめてドラフト会場の様子を見つめた。

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 スクリーンに映し出されるドラフト会場では、次々と選手の名前が呼ばれていく。ドラフト3巡目。DeNAが宮下朝陽選手を指名した際、宮路投手は「みや」の二文字にわずかに反応して、一瞬、姿勢を正した。その4人後、昨年まで所属していた徳島インディゴソックスの篠崎国忠投手が中日から指名を受けた時は、少しだけ表情を崩した。

 午後7時3分。全球団が支配下選手の指名を終えると、3人は記者会見場を一度退室して休憩を取る。10分後に会見場に戻ってくると、今度は育成選手の指名を見守った。3巡目のDeNAを皮切りに、各球団は次々と選択終了していく。そして、最後まで残っていたソフトバンクが育成8巡目で選択終了。指名漏れとなった2人の選手と池田社長は退室した。記者会見場の緊張は解け、代わりに居心地の悪さが残った。

支配下での指名もあると思っていたのに

 3分後、記者会見場に戻ってきたのは池田球団社長1人だった。指名されなかった選手2人の気持ちを推し量るように言葉を紡ぐ。

「非常に残念な結果となりました。なかなか言葉が出てこないですね。ドラフトはすごく難しいと改めて痛感しました。長い時間お待たせしてしまい、申し訳ありませんでした」

【次ページ】 「オイシックスは指名が」の質問に…

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