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「ブラジルならケンカなのに」J1で111ゴールFWエジミウソンがJリーグに苦言「“ツギ、ツギ”でいいの?」「でも来年は長女と日本に…楽しみだ」
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沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byHiroaki Sawada
posted2025/10/26 11:03
43歳となったエジミウソン。少々ふくよかになったが、日本への愛は今も変わらなかった
「そう。複数の主力選手が反目してグループを作り、それぞれのグループがチーム内での立場を高めようとする。別のグループの選手にはパスを出さない、といった嫌がらせをするんだ。僕はどのグループにも属さなかったから、微妙な立場に置かれた。ブラジルでは時折、あることなんだけど、まさか日本でもあるとは思わなかった」
――監督は、経験豊かなパウロ・アウトゥオリ(ブラジル人)でした。彼は、その問題を解決できなかったのですか?
「彼はもちろんパネーラの弊害を知っており、実情も把握していた。主力選手と話をして問題を解決しようとしていたが、結局、完全には解消できなかった」
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――この年、あなたはJ2で14試合に出場して2得点。概ねレギュラーでしたが、チームは4位で自動昇格の2位以内に入れず。J1昇格プレーオフの2試合ではいずれも終盤の出場に留まり、チームは決勝で3位のアビスパ福岡と引き分け、「引き分けの場合はリーグ戦で上位のチームが勝ち上がる」というレギュレーションによって昇格を逃しました。
「残念だった。本来のチーム力からすれば、1部に復帰してしかるべきだったと思う」
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――その後、2016年にレッドブル・ブラジルとスポルチ、2017年にサントアンドレでプレーした後、2018年3月、35歳で引退します。その理由は?
「オファーはあったんだけど、遠隔地の小クラブで、『もういいかな』、と思ったんだ。16歳から20年近く、多くのクラブを渡り歩いて、移動に次ぐ移動の日々だったからね」
――日本で「これはすごい」と思った選手は?
「日本は、MFに逸材が多かった、名波浩の左足の精緻な技術と巧みなゲームメイクに舌を巻いた。遠藤保仁と中村憲剛の高度なテクニックと戦術眼も舌を巻いた。ボランチでは、新潟で一緒にプレーした山口素弘の守備力とリーダーシップも素晴らしかった。
FWだとジュビロ磐田で活躍した前田遼一。彼のせいで、僕は2009年と2010年にJリーグ得点王になり損ねた(注:2009年は3点差、2010年は1点差)。小柄だけど本当に抜け目がない大久保嘉人、パワフルで驚異的な身体能力の持ち主だった久保竜彦も印象に残る。DFで一番は、中澤佑二。非常にタイトにマークしてきた。若くして亡くなった松田直樹も身体能力が高くて、嫌だった」
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――現在の日本代表で評価する選手は?
「僕は、三笘薫の大ファン。彼のスピード、テクニック、決定力が素晴らしい」
――近年の日本代表の進化をどう眺めていますか?

