テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER

「逆に言えば…」大谷翔平は“ロバーツ監督の苦言”に微笑んだ「ショウヘイ! ワオ!」カーショウもフリーマンも激レア150m弾フリー打撃に興奮 

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柳原直之(スポーツニッポン)

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara

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posted2025/10/24 11:04

「逆に言えば…」大谷翔平は“ロバーツ監督の苦言”に微笑んだ「ショウヘイ! ワオ!」カーショウもフリーマンも激レア150m弾フリー打撃に興奮<Number Web> photograph by Naoyuki Yanagihara

ナ・リーグ優勝決定シリーズ会見での大谷翔平。ロバーツ監督の“苦言”について直接聞いてみると?

 それまでは予想や想像の域を出なかったが、ハッキリと公の場で明言したのは初めて。第7戦までもつれれば、23年WBC以来の「守護神・大谷」が見られる。ただ、アメリカンファミリー・フィールドのブルペンは右翼後方にあり、試合中にブルペン投球など準備に向かう際はイニング間にグラウンドを横断するか、ベンチ裏の通路をぐるっと回って右翼方向からブルペン、ないしはグラウンドに入っていくか。報道陣の間でもどうやって大谷が準備に向かうのか議論を呼んだ。

第2戦時点で復調の兆しは見えていた

 試合が始まり、大谷はナ・リーグトップの17勝右腕フレディ・ペラルタに、5回まで2つの空振り三振など3打数無安打。これで今季ワーストがさらに伸びる19打席連続無安打となったが、4打席目にトンネルを抜けた。3—1の7回1死三塁、左腕アーロン・アシュビーから右前適時打。貴重な追加点にガッツポーズを繰り出した。

 フィリーズとの地区シリーズ第2戦の第4打席での右前適時打以来4試合、20打席ぶりの安打&打点。「思い通りにいかない打席(が多かった)。相手の失投も少なかった」と苦しんだ地区シリーズ以降、この時点ではまだ25打数2安打、打率.080にとどまっていた。それでも2回の右飛は、この日両軍最速の打球速度115.2マイル(約185キロ)を計測。さらに二盗もマークし、復調の兆しは徐々に見えてきた。

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 ただ、主役は山本由伸だった。9回を111球で投げ抜き3安打1失点、7奪三振。PSでの完投は2017年のジャスティン・バーランダー(当時アストロズ、現ジャイアンツ)以来8年ぶり、球団では2004年のホセ・リマ以来21年ぶりで、日本人投手では初めて。

 記録ずくめの自身メジャー初完投勝利で敵地での2連勝の立役者となり、シリーズ2勝0敗と絶対優位な立場になった。

“ロバーツ監督の苦言”について聞くと表情を緩めた

 私はこの日は寝る間もなく、早朝4時にはレンタカーを飛ばし再びシカゴ・オヘア空港へ。そして、再びロサンゼルスへと飛んだ。今度は時差が3時間戻るとはいえ、ロサンゼルスへの到着は正午過ぎ。ポストシーズンの各シリーズ期間中は移動日も毎日練習があり、取材対応がMLBによって義務付けられている。メディアにとってありがたい話であると同時に、移動は過酷。15日は練習前に大谷が会見に出席することも発表されていたため、尚更遅れることは許されない状況だったが、無事に間に合った。

 15時半。いつもの会見場より大きい三塁側の臨時会見場に現れた大谷には、まず米メディアから打撃に関する質問が集中した。

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