テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
ドジャース裏話「このままではWSで勝てない」“不調説”の大谷翔平にロバーツ監督が苦言…じつは「日本ハム時代の栗山監督もそうだった」
posted2025/10/24 11:03
フィリーズとの地区シリーズで快音が聞かれなかった大谷翔平に対して、ロバーツ監督が“苦言”を呈した背景とは
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
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Nicole Vasquez/Getty Images
《ナ・リーグ優勝決定シリーズ》
10月11日 オンライン会見
10月12日 前日練習
10月13日 ブルワーズ第1戦 ◯2-1
10月14日 ブルワーズ第2戦 ◯5-1
10月15日 練習日
10月16日 ブルワーズ第3戦 ◯3-1
10月17日 ブルワーズ第4戦 ◯5-1
ロバーツ監督の“過去最も厳しい苦言”
フィリーズとの地区シリーズを制した2日後の10月11日。事前にドジャースの球団広報から「取材対応の予定はない」と聞いていたが正午頃、15時30分に監督のオンライン会見が行われるとの通知が来た。
焦った。
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メジャーリーグの取材予定変更は“あるある”で、休日でも決して気を抜いてはいけないことは担当記者になってから特に学んできたことだが、面食らった。運良くまだホテルにいたため準備できたが、買い物などで外出中だったら——と想像するだけで冷や汗ものだった。
15時30分。2勝2敗で並んだブルワーズとカブスの地区シリーズ第5戦が行われる3時間30分前だったため、まだナ・リーグ優勝決定シリーズで戦う相手は決まっていなかった。本拠地で非公開練習を行ったチームを代表してデーブ・ロバーツ監督がオンライン会見に出席すると、米メディアから大谷翔平に関する質問が集中した。フィリーズとの地区シリーズでは18打数1安打、打率.056、本塁打なし。特に左投手に苦しめられたからだ。
ここで、ロバーツ監督は語気を強めた。
「過去のシリーズを振り返って学んでほしい。ストライクゾーンの外では積極的すぎ、ゾーン内では受け身になる傾向があった。もっと良い打席を重ねる必要がある。ゾーン内の球を打つこと。このパフォーマンスのままではワールドシリーズは勝てない。左投手の攻め方を理解し、内角にボール球を投げられ外角に変化球を逃がす傾向を把握する必要がある」
驚いた。
メジャー8年目でこれまでの監督がここまで大谷に厳しい言葉を公の場で浴びせたことがあっただろうか。
栗山監督も「普通だよ」と褒めることなく…
ただ、一方で懐かしくもあった。日本ハム時代の栗山英樹監督もそうだったからだ。

