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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
名門、古豪がまさかの落選? 箱根駅伝“波乱の予選会”…大躍進に歓声を浴びた“ある新興校”も「大学から『もう強化費は出せない』と言われていて…」
text by

小堀隆司Takashi Kohori
photograph byShigeki Yamamoto
posted2025/10/20 11:03
今季から大志田秀次監督が就任した古豪・明治大も予選会12位で通過はならず
チームを率いる中田盛之監督も笑顔だった。
「途中までは私もワクワクさせてもらいました。5kmの時点で2位で、これは持たないなと思ったんですけど、10kmの時点でまだ5位にいたでしょ。おいおいおいって(笑)。でも、うちのプランとしては前半抑えて後半勝負。だから、他の大学が前半に抑えすぎたんだと思います」
中田はかつて箱根で活躍したランナーで、指導者としては関東学院大を初の箱根駅伝出場に導いている。生活面での規律を厳しく守らせながら、距離を踏ませる指導で、高校時代に実績のない選手を丁寧に育ててきた。
誤算だった1週間前の「コロナ罹患」
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日本薬科大を率いて今年で8年目。メンバー表をよく見ると28分台の選手が2人もいる。その中で28分38秒95の記録を持つ染谷雄輝(4年)は、留学生ランナーに次ぐチーム2位の活躍(個人36位)でしっかりと本番でも結果を残した。
「ただ、染谷も近藤(蒼大、3年、もう一人の28分台ランナー)も、1週間前まではコロナに罹った影響でフラフラでしたから。染谷が本調子であればあと30秒は速かったと思います。近藤に関してはチーム8番手ですからね。彼も1分は違う。デニス(キプルト、3年)も最高のコンディションだったら2分違うので、そうしたらうちは通っていたんですよ」
これまでスカウトしてきた中で、5000mのタイムは14分33秒の記録を持つ近藤が最高だった。つまり、大半は高校時代の記録が15分前後の選手で、大学に入ってから監督や選手がいかに努力してきたかということがよくわかる。
今回、出場した4年生は2人だけ。留学生も残るだけに、来年はさらにチャンスが広がるだろう。気が早いのは承知でそのことについて触れると、中田の表情がにわかに曇った。

