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「ボールが急に飛ぶようになった」珍現象は本当か…恩恵を受けたDeNA筒香嘉智の証言「感触と飛距離が合うように」では阪神は? CSのカギを握る不確定要素
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鷲田康Yasushi Washida
photograph bySANKEI SHIMBUN / Hideki Sugiyama
posted2025/10/15 11:05
プロ野球後半戦でともに14本塁打を放ったDeNAの筒香嘉智(左)と阪神の佐藤輝明
1試合平均本塁打数は球宴前の0.61本から球宴後は0.72本に、平均得点も3.4点から3.58点と増えてはいる。しかしDeNAほど“飛ぶボール”の恩恵は受けていないのである。
この結果には、もちろん12球団で最も本塁打の出にくい甲子園球場を本拠地としていることも影響しているはずだ。ただ、打線だけではなく、阪神自慢の投手陣にも“飛ぶボール”の影響は少なからず影を落としているのも気になるところなのである。
オールスター前とオールスター明けの1試合平均被本塁打数は0.21本から0.64本へと増加。同平均失点も2.22点から2.87点へと増えている。そしてこれは阪神打線の1試合での平均本塁打、平均得点を上回る数字となってしまっているのだ。
“飛ぶボール”とファイナルステージの勝負のカギ
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DeNAと巨人とのファーストステージを観戦したファンも気づいていたかもしれないが、横浜スタジアムでのファーストステージでは結果的には本塁打が試合を大きく動かすことになった。巨人との初戦では筒香が2発。第2戦では佐野恵太外野手とシーズン2本塁打の石上泰輝内野手にも貴重な一発が飛び出している。そしてこの一発攻勢はDeNAばかりではなかった。巨人も初戦でシーズン中は本塁打3本だった若林楽人外野手が2ラン、第2戦ではシーズン0本の佐々木俊輔外野手が先頭打者本塁打を放って、7本塁打の中山礼都内野手にも3ランが飛び出している。
ファーストステージの結果が示すように、短期決戦では一発が試合の流れを一気に変えていく。そして多くの選手たちが指摘するように、後半戦からボールが飛ぶようになっているのは間違いない。シーズン防御率2.21と絶対的な投手力を中心にセ・リーグを制してきた阪神投手陣が、“飛ぶボール”の恩恵で得点力の上がっているDeNA打線をどう抑え込むか。そこがファイナルステージの勝負の行方のカギを握ることになりそうだ。
