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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
敏腕スカウトは「うーん」と長考も…スタンフォード大・佐々木麟太郎(20歳)のNPB指名はあるか?「本物の長距離砲の軌道を描けるバッター」
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byGetty Images
posted2025/10/15 11:01
高校通算140本のホームランを誇る佐々木麟太郎。異例のスタンフォード大進学となったが、果たして今秋のNPB指名はあるのか
そして、「麟太郎君の指名、あるんじゃないですか」と続ける。
「だって、今年の候補の中で、本物の長距離砲の軌道を描けるバッターなんて、麟太郎君と桜井(ユウヤ・埼玉、昌平高・内野手)だけですから」
記者の記憶にも残る「衝撃のホームラン」
衝撃のホームラン軌道だったら、私の記憶の中にも、何本もある。
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まずは、彼が花巻東1年秋の明治神宮大会だ。
神宮球場の内野席を埋めた観客は、すべて彼のホームランを見にきた人たちばかり。そんな中で、当たり前のようにライトポール近くに、高々と放り込んだ大放物線。
そして、もっと驚いたのが、高校3年夏の大会直前の愛知県招待試合だ。
初日の2試合で、右中間、左中間へどれも「打った瞬間!」の3弾を放り込んだ佐々木麟太郎選手。
翌日の試合で今度は右中間最深部へライナー性で伸びに伸びた打球は、間違いなく小牧市民球場の場外へ消えていった。
プレーヤーとして、怪物級のバッティングの才能を持ちながら、会って話してみれば、なんともソフトで、フラットで、難問には時間をかけて言葉を選びながら話す理知的な青年だ。
これだけの「大器」の将来を、一人の凡人が占うなんておこがましいだけだ。
ただただ、将来の「大成」を願うばかりである。

