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代表はなぜ「毎回、一度基本に戻している」のか? 森保一監督が漏らした“積み上げ”の難しさ…チームと代表の「切り替え」をつなぐ人物とは 

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佐藤景

佐藤景Kei Sato

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2025/10/14 11:00

代表はなぜ「毎回、一度基本に戻している」のか? 森保一監督が漏らした“積み上げ”の難しさ…チームと代表の「切り替え」をつなぐ人物とは<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

パラグアイ戦前に森保監督が漏らした、代表活動の当然のように思えて意外な難しさとは?

「新しいことをやらなければいけないという時に『基本に戻してそこからだな』となる。新しいことを少しでも多く積み上げていきたいですが、代表活動というのは、代表活動から所属チームに戻り、所属チームから代表活動にまた戻ってきた時にスイッチの切り替えをしっかりやらなければいけない。そのことを9月、10月の活動で感じています。

 答えになっているかわからないですけど、ベースに戻しながら、そこから積み上げをしていきたい。積み上げ、積み上げと言っていますが、その積み上げの土台すらあるかわからないと感じながら、チームとして戦術的な共有と個々の役割を選手たちに明確に持ってもらって活動できるように毎回しなければいけない」

所属チームと代表活動の「切り替え」の重要性

 連続しているようで連続させることが難しいのが代表活動ということだろう。当然ながらこれはエクスキューズではない。その言葉には指揮官の実感がこもっていた。

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 9月のケースで言えば、3月以来の招集となった選手が複数人おり、ケガによって不参加になった選手も多かった。それでもベースの確認は最小限に留め、新たなトライを重視したと映る。例えば、メキシコ戦は終盤に2トップを試し、中2日で迎えたアメリカ戦ではフルターンオーバーで臨み、後半開始からフォーメーションをアジア最終予選の基本である3−4−2−1ではなく4−2−3−1にシフトした。だが、いずれも結果が伴わなかった。

「スイッチの切り替えをしっかりやらなければならない」とは指揮官の偽らざる本音だろう。そしてこの「切り替え」は複数の選手がヨーロッパの主要リーグでプレーするようになったことで、より重要になったと思われる。

 そうした状況で連続性をつなぐ役割を担いたいと話すのが、あのコーチだった——。

後編につづく

#2に続く
「欧州組の考えと代表のやり方のバランスを整える」長谷部誠コーチの“切り替え作業”もパラグアイ戦は間に合わず? ブラジル戦は「基本」に戻れるか

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