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ドジャース大谷翔平が「あれ、バットを2本持って?」NHK解説者が現場で目撃した “ある行動”のわけ…不調打開へ声をかけた「頼れる男」とは 

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小早川毅彦

小早川毅彦Takehiko Kobayakawa

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posted2025/10/11 17:03

ドジャース大谷翔平が「あれ、バットを2本持って?」NHK解説者が現場で目撃した “ある行動”のわけ…不調打開へ声をかけた「頼れる男」とは<Number Web> photograph by Getty Images

フィリーズ戦では強力な左投手陣に苦戦した大谷がベンチで見せた、いつもと違う行動に小早川毅彦氏は注目したという

大谷の「ある行動」

 ただそうした中で、第4戦で私が注目したのが、大谷選手の普段と違う、ある行動でした。上の放送席から見ていると、サンチェス投手を前にこの日も第1打席に凡退した大谷選手が、ベンチで自分のバット置き場からバットを2本取って、裏のロッカーに下がっていく、というシーンがあったんです。普通は試合中に裏に行くのにバットを持っていくことはないですし、ましてや2本というのはなかなか目にしません。

 考えられることとしては、裏で素振りをしてバットの感触を確かめる、あるいはバッティングできる場所もありますので、もしかしたら実際に打ってバットを替えるかどうかを検討したのかもしれません。

 さらにその後、ベンチに戻ってきた大谷選手は、フリーマン選手に声をかけて話し込んでいたんです。放送でも私はその場面に注意をうながしましたが、けっこう長い時間真剣に話し合っていました。お互い左投手の厳しい攻めにあっているなかで、この日はフリーマン選手が第1打席でサンチェス投手からヒットを打っていたので、打席でのアプローチなど参考にしたかったのかなと。普段はベンチで仲間と話す際には、楽しそうに他愛もない感じでいることが多い大谷選手には珍しい一幕だったと思います。

打てないなりのチームプレー

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 この日すぐには結果は出ませんでしたが、抑え込まれているなかでそれに対して行動をしっかりと起こしていく、そういうアプローチをできるのが大谷選手なんだな、と改めて思いましたね。

 地区シリーズで唯一打ったヒットも、第2戦のしぶとく転がして4点目となるタイムリーでした。結果的に1点差に迫られるなかで、これが決勝点になったわけです。佐々木朗希投手が登板準備をしているなかで、バントの構えを見せたりして四球をもぎ取って時間を稼ぐというプレーもありました。打てないなら打てないなりに、豪快なホームランばかりではないチームプレーで勝利に貢献できるのもまた大谷選手ということです。

【次ページ】 リーグ優勝シリーズのキーマンは?

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