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ドジャース佐々木朗希「これぞクローザーの仕事」は「アメフトのおかげ」!? 現地のNHK解説者が見た「厳しい場面で」「連投」できた意外なワケ
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小早川毅彦Takehiko Kobayakawa
photograph byGetty Images
posted2025/10/08 17:40
フィリーズとの地区シリーズ第2戦でセーブを挙げ、好守備を見せたフリーマン、マンシーらと喜ぶ佐々木。彼のクローザー登板を可能にした外部要因とは?
イーグルスはNFL有数の強豪で、2月のスーパーボウルでも優勝を飾っています。そのイーグルスの試合がこの「中日」にあったんですよ。このお隣のリンカーン・フィナンシャル・フィールドの収容人数は約7万人ですが、試合当日にはスタジアムに15万人が集まったそうです。つまり、中に入れるわけでもない8万人がスタジアム周辺で盛り上がっていたんです。
シチズンズ・バンク・パークは約4万5000人が入れて、この地区シリーズのチケットはソールドアウトだったと聞きますが、やはり15万人には負けますよね(笑)。具体的に確認をとれたわけではないんですが、おそらく、テレビ放送が重なることも含め、このフットボールの試合を避けるために1日空けたのではないでしょうか。最近はワールドシリーズでさえ、NFLとのバッティングを避けるために日曜日に試合を入れないことがあります。日本とはずいぶん感覚が違いますが、アメリカでのフットボールの人気はそれだけ大きいんです。
アメフトの恩恵がドジャースに?
さてそんな偶然で1日空いたことで、何が起きたか。もちろん、両チームの、特にリリーフピッチャーが休めることになりましたが、結果的にはドジャースによりよい影響があったといえるでしょう。故障明けで連投を避けたい佐々木投手を、問題なく登板させられる状況になったからです。
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その第2戦は、フィリーズ先発のヘスス・ルザルド、ドジャース先発のブレイク・スネル両投手が好投して緊迫した投手戦になりました。7回表にドジャースが一挙4点を取ってリードし、ここから魔の「7、8、9回」に入っていくわけですが、この日はやはりシーズン中は先発を務めていたエメット・シーハン投手を投入します。7回は素晴らしいピッチングを見せましたが、案の定といいますか8回に1点を奪われてしまいました。
9回頭から佐々木を投入すべきだった
そして3点リードで迎えた9回、ロバーツ監督は9月から不調が続くブレイク・トライネン投手を選択しました。放送でも申し上げましたが、私はここで、第1戦を締めて1日空いている佐々木投手を回の頭から投入して、ピシッと締めるべきだったと思います。

