ドジャース佐々木朗希「これぞクローザーの仕事」は「アメフトのおかげ」!? 現地のNHK解説者が見た「厳しい場面で」「連投」できた意外なワケ 

　どうも9回表、ドジャースの攻撃中のワンアウトまで、佐々木投手本人には登板が伝わっていなかったようですね。佐々木投手の準備のために、2死で打席に入った大谷選手がバントの構えを見せるなどして四球をもぎ取り、時間を稼いでくれました。そして佐々木投手にとっては初めてのセーブシチュエーションで登場したわけですが、先ほど申し上げたような、フィリーズファンのものすごいブーイングとヤジが飛びかいました。ちょっと子どもには聞かせたくないような、汚い言葉のヤジまで飛んでいましたから。

　そんな状況で動じることなく、二塁打は1本打たれたものの無失点で締めくくったのですから、ことこのポストシーズンにおいては、佐々木投手がドジャースのクローザーということで決まりだな、と思ったものです。

それでも佐々木はクローザーじゃない？

　それでも、デーブ・ロバーツ監督は第1戦後の会見では「佐々木投手がクローザー」とは明言せず、8回などでも僅差の重要な場面なら登板させる「ハイレバレッジ」投手である、と発言していたようですね。

ADVERTISEMENT

　ただ、第2戦を見てやっぱり佐々木投手がクローザーだ、と確信しました。私は第2戦後の会見には出られませんでしたが、同じ質問があったら、ロバーツ監督も「前言撤回だ、佐々木がクローザーだ」と答えざるをえなかったんじゃないでしょうか（笑）。

　そうなったのは、もちろん佐々木投手の自信にあふれた投球が第一ですが、実はいくつかの、周辺環境の要因も影響していたと思うんです。

佐々木が第2戦でも「これぞクローザー」というところで登場できたわけとは　©Getty Images

なぜ1戦と2戦の間が空いたのか

　ひとつは、第1戦と第2戦の間が1日空いたという変則日程です。これはMLBが決定していることなので推測に過ぎませんが、理由としてはまずテレビ中継の放映権の関係があるのだろうと思います。それともうひとつがNFL、アメリカンフットボールです。実はシチズンズ・バンク・パークの道を挟んですぐ隣に、NFLのフィラデルフィア・イーグルスの本拠地、リンカーン・フィナンシャル・フィールドがあるんですね。

【次ページ】　アメフトの恩恵がドジャースに？