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ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
「悪いこと考えるよな(笑)」“全日本吸収”未遂はまさかの結末に…蝶野正洋が今明かす「新日本プロレス選手大量離脱事件」とは何だったのか?
text by

堀江ガンツGantz Horie
photograph byAFLO
posted2025/10/11 17:01
“黒のカリスマ”蝶野正洋が今明かす、選手大量離脱事件のウラ側とは?
バスの中で闘魂三銃士が語り合った思い
こうして全日本プロレスの“お家騒動”に新日本が介入したことがひとつのきっかけとなり、橋本真也が新日本を解雇されZERO-ONE旗揚げ。武藤敬司は新日本を離脱して全日本の社長に就任。残った蝶野は、新日本の現場のトップである現場監督に就任し、期せずして闘魂三銃士はそれぞれ一国一城の主的な立場となったのだ。
「俺は90年代からなんとなく、そういう状況になるんじゃないかと感じてたんだよね。俺は首が悪くてカミさんがドイツ人だから、早めに現役引退して、海外に拠点を移してブッカー(外国人選手招聘担当)として選手を新日本に送り込む仕事がしたいと思っていたし。武藤さんはアメリカのWCWかWWEに行こうとしていた。橋本選手は新日本に残ると思っていたんだけど、俺がまだ正規軍にいた29歳ぐらいの時、移動のバスの中で『将来、バラバラになっても、俺たちでネットワークを作って協力していこうよ』なんていう話をした覚えがあるんですよ。まさかそれが、全日本プロレスの分裂がきっかけとなって実現するとは夢にも思わなかったけど、こうして振り返ってみると、なるべくしてなったんじゃないかとも思うね」
総合格闘技人気に押され、プロレス界が冬の時代を迎えていた2000年代前半。蝶野正洋、武藤敬司、橋本真也の闘魂三銃士が、それぞれ団体のトップとなり、切磋琢磨し時には協力し合いながら、苦しい時代を乗り越えようとしていたのである。《前編も公開中》
