「正直、野球をできるメンタルではなかった…」DeNA蝦名達夫28歳が悲劇を乗り越えて1番に定着した“覚悟”「恩返しのためにも日本一連覇を」 

　蝦名にとって決して負けることのできないポストシーズンが始まろうとしている。

　昨年もチームに帯同されていたが、CSでは6試合3打席、日本シリーズでは3試合2打席の出場にとどまった。

「去年は日本一になりましたけど、試合にはほとんど出られませんでしたし、見ていてももどかしい気持ちというか、もやもやしたものが残りました。その悔しさを忘れることなく、あの舞台で活躍するんだという気持ちで今年はやってきたので、思い切ってプレーしたいと思います」

今季こそはポストシーズンでも自らが活躍して勝利をつかむと決意する蝦名　©JIJI PRESS

三浦監督の言葉を胸に

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　目の奥を輝かせ蝦名は言った。そして入団以来、お世話になってきた三浦大輔監督のラストファイトとなる大舞台。切り込み隊長として必然的に気合が入る。入団した1年目、ファームの指揮を執っていた三浦監督から告げられた次の言葉が、今でも蝦名の心に刻み込まれている。

「やるべきことはやっていると思うから、それを腐らずに、どんなときでもしっかり継続することが大事だぞ」

　まさに蝦名はこの言葉を忠実に守り、ここまでプロの世界をサバイブし、厳しい外野手争いを勝ち抜いてきた。

　歓喜の輪の中心で、一点の曇りもない晴れやかな気持ちで天を見上げるため、リードオフマン蝦名の覚悟の戦いが、いよいよ始まる——。