ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
CS死守へ!「牧さん宮﨑さんがいないから、で終わりたくない」DeNA林琢真25歳“主力の穴”を埋める成長とは「約10kgの肉体改造」「愛妻のために」
posted2025/09/08 11:04
牧、宮﨑が不在の内野をどこでも守り、キャリアハイの出場数を更新している林琢真。今季の成長の要因を語った
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
JIJI PRESS
唯一無二のプレイヤーへ――。
今季、横浜DeNAベイスターズの若手選手で多くの出場機会を得ているのが、3年目の内野手である林琢真だ。これまでのキャリアハイはルーキーイヤーの65試合、157打席だったが、今季は77試合、224打席(9月8日現在、以下同)、グラウンドに立っている。
林はここまでを振り返り、真摯な表情で語る。
ADVERTISEMENT
「充実したシーズンを送れている実感はあります。やはり試合にたくさん出させて頂いているというのが大きいですね。スタメンで出る機会も多く、もちろんいい悪いはあるんですけど、経験から学ぶことが多々あります」
出場機会増によるプラスとは
やはり選手は試合に出てナンボ。頷きながら林はつづける。
「やはりベンチで見ているだけだと限界はありますし、実際に試合に出て、経験をして、じゃあ次はどうしようかって考えるサイクルがあって、それがすごくプラスになっています。以前は失敗をしたり成功をしても、次のチャンスが来るまでに時間がかかっていましたが、今は昨日のことを今日改善できたり、そのスパンが短いので、そういう意味で成長できているなって思うんです」
強度の高い日々の実戦に勝る経験はない。だが、そのためには成績を出すことはもちろん、他の選手にはない、チームの勝利に貢献できる特性を発揮しなければならない。
その観点から今季、怪我人や不調な選手がいるなか、林が起用されている大きな要因は、レベルアップした打撃と守備におけるユーティリティー性だろう。
決意の肉体改造でパワーアップ
まず打撃だが、明らかに強く振れるようになり、打球スピードが上がった。その証拠に昨年.235だった長打率が.318に上がっている。
強く速い打球を打つために林は昨オフ、肉体改造を敢行している。入団当時72kgほどだった体重は、徹底したウェイト・トレーニングと栄養管理により、80kgを超え、上半身下半身ともに分厚くなった。
林のプレースタイルといえば軽快な俊敏性にあったが、なぜその長所を消しかねないパワーアップを目論んだのだろうか。
「このままでは駄目だと思ったんです」
独白するように林は言った。

