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「球場全体“ローキ”コールの異様なムードでも」NHK解説者が現場で確信した“クローザー・佐々木朗希”成功の根拠「試合前練習での、ある変化」 

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小早川毅彦

小早川毅彦Takehiko Kobayakawa

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posted2025/10/03 17:00

「球場全体“ローキ”コールの異様なムードでも」NHK解説者が現場で確信した“クローザー・佐々木朗希”成功の根拠「試合前練習での、ある変化」<Number Web> photograph by Getty Images

「ローキ、ローキ」の大声援を受けて9回に登場した佐々木。100マイル以上の速球を次々投げ込み、スプリットも効果的だった

 それにしても、その異様な雰囲気のなかでの佐々木投手のピッチングはすばらしいものでした。2番のスペンサー・スティア選手、昨年までドジャースにいた3番のギャビン・ラックス選手と、100マイル(約161キロ)の速球で追い込んでスプリットで連続三振。4番のオースティン・ヘイズ選手にも、今季最速の101.4マイル(約163キロ)の速球を投げ込んで、最後は力のないショートライナーで試合を締めました。

 もっとも、これは佐々木投手のもともとの能力、ポテンシャルからしたら当然といいますか、まだまだこんなものではない、と私は思っています。今季のこれまでの登板のほうが、ちょっと不本意というか、本人のイメージと違っていたんじゃないでしょうか。

小早川氏が活躍を確信した“根拠”とは

 今回の取材で、シリーズ前に球場で調整する佐々木投手を見ることができたのですが、私が驚かされたのは、そのときの彼のキャッチボールです。もう、すごいのなんの。キャッチボールなんですが、マウンドさながらに高く足を上げて、腕もしっかりと力強く振れていて。おそらく30mほどの距離でしたが、ものすごいボールを放っていました。それを見た際に、これはもう昔の完全試合の頃の佐々木投手に戻ったな、と感じたんです。生の姿を見るのは開幕の東京ドームシリーズ以来でしたが、そのときと比較して、体つきも大きくなっているようにも思えました。

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 そんなシーンを見ていたので、私は放送でもきっぱりと、佐々木投手がドジャースの「救世主」になる、と申し上げたわけです。といっても、救世主と呼ばれるということは、その存在が必要な状況だったということで。すごい場面を目にしたばかりなので、つい佐々木投手のすごさばかりを語ってきましたが、後編では、そもそもそこに至るまでの戦いと、私が目撃した衝撃も振り返ってみましょう。

つづく

#2に続く
「金属音のような打球音が5階席まで」大谷翔平衝撃のHRからドジャースがレッズ撃破も…現地のNHK解説者が「挑戦者の気持ちが必要」と見る理由

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