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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「球場全体“ローキ”コールの異様なムードでも」NHK解説者が現場で確信した“クローザー・佐々木朗希”成功の根拠「試合前練習での、ある変化」
posted2025/10/03 17:00
「ローキ、ローキ」の大声援を受けて9回に登場した佐々木。100マイル以上の速球を次々投げ込み、スプリットも効果的だった
text by

小早川毅彦Takehiko Kobayakawa
photograph by
Getty Images
いや、すごい場面を見てしまいました。
MLBワイルドカードシリーズ、ドジャース対レッズ第2戦のことです。私はNHKの解説者として現地に来ているのですが、ドジャースが地区シリーズへの勝ち抜けを決めた9回、佐々木朗希投手が登板した際のドジャースタジアムのムードにはなんというか、ゾクッとしました。
球場全体からの「ローキ」コール
展開としては8-4とドジャース優位で、セーブシチュエーションでもない状況でしたが、前日の第1戦に続いてドジャースブルペン陣がピリッとせず、「またか」というような空気もあったなかで、佐々木投手が登場しました。すると、ファンの「ローキ、ローキ」コールが起きたんです。放送席にいて、しびれましたね。
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いよいよ9回、このイニングを終わらせれば次のステージに進めるというところで、球場全体からどよもすような「ローキ」コールですから。大袈裟かもしれませんが、一種異様な雰囲気で。マリアーノ・リベラ投手(ヤンキース)や、トレバー・ホフマン投手(パドレスなど)、ドジャースでいえばエリック・ガニエ投手といった伝説の絶対的クローザーが登場するときのようなムードだったんですよ。
本拠地初リリーフでの大きな期待感
ご存知の通り、佐々木投手はそもそも日本時代から先発しかやったことがなくて、リリーフ登板は9月にメジャー昇格してからの2試合のみ。ドジャースタジアムでのリリーフはこれが初めてだったわけです。それにもかかわらず、これだけの期待感があるというのは、ドジャースファンのお客さんたちはやっぱりよく見ていて、前回リリーフ登板した9月26日のシアトルでのマリナーズ戦でも今季60本塁打のカル・ラリー選手から三振を奪うなど、無失点の好投をしていることをちゃんと知っているんですね。それが、あれほどの大歓声につながっているんだと思います。

