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「どの毒を飲むか」大谷翔平が敬遠…続く2番ベッツの本音は?「分かったよ。君たちの望んでいることなんだな」エンゼルス戦で米記者が聞いたウラ話
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J・P・ホーンストラ/田代学/丹羽美佳子J.P.Hoornstra/Manabu Tashiro/Mikako Niwa
photograph byNanae Suzuki
posted2025/10/13 06:01
ベッツもまたドジャースのスーパースターだが……自身の前を打つ大谷翔平が敬遠されることについて、どう思っている?
過去6シーズンの大谷の実績を振り返ると、古巣からの謝恩セレモニーとしてはかなり控えめだった。大谷自身は気にしていなかったし、試合に邪魔なものは寄せ付けず、プレーに集中する彼の能力にかなう選手はおそらく皆無だ。これまでのお礼として外野を一周したり、バラの花束を贈られたりする必要はなかった。
だが、それでも盛大なセレモニーではなかったことに批判の余地も残った。他球団では長く在籍した選手が移籍後に初めて戻ってきた試合で、大谷ほど活躍していない選手でも歓迎されることが珍しくないからだ。
地味なセレモニー…エンゼルスは再契約を諦めていた?
セレモニーが予想より地味だったことで、ある情報がさらに真実味を増すことになった。
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大谷がフリーエージェント(FA)宣言をした2023年オフ、ドジャース移籍を決断する準備が整う前に、エンゼルス側が再契約を諦めていたという。
これを報じたのは、スポーツ専門誌『スポーツ・イラストレイテッド』のトム・ベルドゥッチ記者。エンゼルスのオーナーであるアルテ・モレノ氏がFA交渉の早い段階で代理人のネズ・バレロ氏に「(大谷残留を)諦める」と告げていたという。同記者によると、大谷がドジャース移籍を決めた日に、モレノ氏はエンゼルスとの契約延期を伴うオファーをバレロ氏からの最後の電話で打診されたが、関心を示さなかったという。その9カ月後、やはりモレノ氏は過去を振り返ることをしなかった。
大谷を敬遠…「飲むならどの毒を選ぶか」
ドジャースの一員として臨んだ最初の打席で対戦したのは、先発のリード・デトマーズ投手だった。カウント2−2からの速球で一ゴロに打ち取られた。続く3回の第2打席では、1死一塁でデトマーズから右翼線へ適時三塁打を放った。
大谷はその後、延長10回までは2打席凡退。3−2と1点を勝ち越した直後の10回2死二塁では一塁が空いていたこともあり、ロアンジ・コントレラス投手から敬遠で一塁へ歩かされた。続くベッツが左翼席へ15号決勝3ランを運び、6−2と勝利を決定づけた。

