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「中谷くーん」井上尚弥からラブコール…モンスターが対戦を熱望する無敗の3階級王者・中谷潤人が明かす“中1の誓い”「俺は世界チャンピオンになる!」
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byNanae Suzuki
posted2025/10/01 17:01
31戦31勝24KOのパーフェクトレコードを持つ3階級王者の中谷潤人
隣の桑名市にあるジムまで電車で30分。父についてきてもらいドキドキしながら扉を開けると、会長と呼ばれる人はありったけの笑顔で出迎えてくれた。
「入った瞬間、ニコニコした広三会長がいたんですよね。着替えてきて『構えはどっちだ?』と聞かれて『右です』と構えたら『サウスポーは少ないからサウスポーがいいぞ』と勧められて、左構えに。空手はどっちでも構えるので、別に違和感なくスムーズにやれたんです。褒められて嬉しくなっちゃって、楽しかったなっていう思いでジムを後にしたことを覚えています」
「楽しい」という原体験に加えて、「凄い」もあった。石井はプロ31勝のうち21KOを誇り、左フックを得意とした。ネストール・ガルサと壮絶な打ち合いを演じたWBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチは、'99年の国内年間最高試合に選ばれている。本物のサンドバッグ打ちを見せてもらった。中谷少年のハートにズシンと響いた。
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「ジムで一番大きなサンドバッグを打って見せてくれたんです。空手は対人(の練習)だし、もちろんサンドバッグなんてなくて。迫力もそうですけど、音がもう凄かった。それが衝撃的でした」
空手が長続きしなかったとあって、両親はジム通いをなかなか認めてくれなかった。それでも一生懸命に熱意を伝え続けて「じゃあ中学生になって部活代わりに行くのならいいよ」との承諾を勝ち取った。
中学1年で立てた誓い「世界チャンピオンになる」
「俺は世界チャンピオンになる!」
暦の上で中学生になる4月1日に早速入門して、誓いを立てた。初めて熱中できそうなものに出会えた喜びが、口数のあまり多くない少年を勇ましくさせていた。
初めてバンデージを巻いた際の失敗談を昨日のことのように覚えている。
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