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《独占インタビュー》3階級王者・中谷潤人が振り返る“恩師との絆”と“揺るがぬ哲学”「高みを見るのはいいけど、あまり見すぎずに」【井上尚弥が対戦を熱望】
中谷潤人の胸はたかぶっていた。
ムロジョン・アフマダリエフを完封した井上尚弥から呼び止められた。
「中谷くーん。あと1勝、12月お互い頑張って、来年東京ドームで盛り上げましょう!」
言葉を受け取ると、それに応えるように笑みを浮かべて両拳を突き上げてみせた。
敵というよりもまるで恋人同士。今年3月の年間表彰式でモンスターのほうから対戦を呼び掛けられた。6月に行なわれた西田凌佑とのWBC、IBF世界バンタム級王座統一戦にTKOで勝てば「スーパーバンタム級戦線へようこそ」とメッセージを送られ、今回はわざわざリングサイドに招待を受けた。なぜ井上がここまで認めるほどの強さと魅力を備えているのか。
それを知るには彼の原点を、彼の言葉で聞く必要があると思えた。
夕刻、相模原にあるM・Tボクシングジムはいつものように活気に満ち溢れていた。ジムメイトにも気さくに声を掛けられ、アットホームな雰囲気の中心に彼がいた。
小学生時代に始めた空手は「本当に1回も勝ててない(笑)」
長野冬季オリンピックが間近に迫っていた1998年1月2日に産声を上げた中谷は自然豊かな三重・員弁郡東員町で育った。小3のころ、両親が営む鉄板料理店によく来ていた総合武術師範の勧めで空手を始めた。連戦連敗という嘘のようなエピソードは本当であった。
「本当に1回も勝ててない(笑)。体も小さくて、館内では力を出せても大会になると全然結果が出なくて。週2回の練習で、本腰を入れていたわけではなかったけど、先生も(試合の)経験が大事だと言ってくれていましたから。だから負けても悔しさが別にそこまでなかったんです」
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