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「若くて強い井上尚弥と戦いたい」中谷潤人の名参謀ルディが“仰天発言”の真意を明かす「永遠にNo.1のボクサーは存在しないんだ」
posted2025/06/05 11:01

今年3月、表彰式で言葉をかわした中谷潤人(左)と井上尚弥。互いにリスペクトを感じるやり取りだった
text by

杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Hiroaki Finito Yamaguchi/AFLO
『おいおい!!!ルディさん!!! 1年後も全盛期だ 言い訳なんかしない 誰も衰えちゃいないから まだまだ上の景色を見に行く 以上』
現代の最強王者、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が自身の公式Xにそう投稿したのを読んで、“1年後”に計画されているメガファイトがさらに楽しみになったファンも少なくないのではないか。
ことの発端は5月中旬。WBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M.T)のトレーナーとして知られるルディ・エルナンデスが、リングマガジンのインタビューで『井上とは今すぐにでも戦いたい。より若くて強い井上と戦いたい。来年まで待つと“井上が年を取った”と言い訳されると思う』と発言した。それを受けて井上は14日、冒頭のようにエルナンデスを名指しで返信したのだった。
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どちらもリングマガジンのパウンド・フォー・パウンド・ランキングに入っている王者同士、井上と中谷の日本人スーパーファイトは2026年春に企画されている。それに向け、両陣営のフレンドリーなトラッシュトークがスタートしたと言えるのだろう。
5月下旬、エルナンデスが筆者との単独インタビューに応じた。井上とのやりとりの真意はどこにあったのか。10代半ばの頃から中谷を鍛え上げてきたベテラントレーナーの言葉からは、井上への莫大なリスペクトとともに、まだ成長途上にある中谷の能力への強烈な信頼も感じられた。【NumberWebインタビュー全2回の前編/後編も公開中】
「なるべく早く実現させたい」
――先日、SNS上で井上との間で意見の交換がありました。いったいどういう意図があったのか、ここで詳細に説明していただけますか?
ルディ・エルナンデス(以下、RH) 私の希望としては、ジュントとイノウエの試合はなるべく早く実現させたいということだ。現在、イノウエは世界最高のボクサーであり、ジュントには最高のボクサーと戦わせたいから。それができるのであれば、早い方がもちろんベターだ。
――世界最高の相手だからこそ、一刻も早く戦わせたいということですね。
RH その通り。イノウエが年齢を重ねているからとか、そういうことではない。現時点でベストの選手と戦いたいというそれだけだ。仮定の話だが、もしも明日、何らかの理由でイノウエが周辺階級でベストではなくなったとしたら、その時にはベストと目されるようになった選手と戦いたい。なぜなら、私たちがベストを目指したいからだ。