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《独占インタビュー》井上尚弥が試合後に明かした真相…「アフマダリエフは何もできない」と確信した瞬間「あのスタイル、いつでもできますから」

posted2025/09/27 17:02

 
《独占インタビュー》井上尚弥が試合後に明かした真相…「アフマダリエフは何もできない」と確信した瞬間「あのスタイル、いつでもできますから」<Number Web> photograph by Naoki Fukuda

最大の難敵と目されたアフマダリエフに対し、見事なアウトボクシングで勝利した井上尚弥

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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Naoki Fukuda

 苦しくなるほどの緊張感で始まった名古屋決戦は、ラウンドを追うごとに挑戦者の心が折られていく。そこには不世出の王者ならではの駆け引きや技術が詰まっていた。試合翌日、井上尚弥が披露してくれた前夜の完勝劇の裏側。
 発売中のNumber1128号に掲載の[試合後独占インタビュー]井上尚弥「相手は何もできないと確信した」より内容を一部抜粋してお届けします。<全2回の前編/後編へ>

井上尚弥が明かすMJとの一戦

 井上尚弥はいつだって見ている者を驚かせる。9月14日、名古屋のIGアリーナに1万6000人を集めたスーパーバンタム級4団体王座防衛戦は、王者の井上がWBA暫定王者で元2団体統一王者のムロジョン・アフマダリエフ(MJ)に大差の3-0判定勝ち。代名詞とも言えるKO決着ではなかったものの、打たせずに打つボクシングを貫いてキャリア最大の難敵を封じた。およそ6年ぶりとなる公約通りの「判定決着」は国内外から絶賛された。

 試合翌日、横浜で開かれた一夜明け会見では、「この試合にかける思いは非常に強かったので、作戦通り勝ててホッとしている」と心境を明かした。私たちを驚かせた作戦とは無理に倒しにいかず「ブレーキをかけて」自重しながらの戦いだ。

 会見を終え、単独インタビューに応じた井上は今回披露した「アウトボクシング」が特別視されることへの違和感を皮切りに、MJとの一戦を詳細に語り始めた。

「あのスタイル、いつでもできますから」

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――今回、あのような戦い方をしようと決めたのはいつの段階でしたか。

「みなさん、今回は戦い方にフォーカスしてますけど、そんな変わった戦い方してますか? 特別なことはしてないんですけど」

――でも、倒したい気持ちを「我慢」はしましたよね。

「そうなんですけど、倒しにいかなかったとか、アウトボクシングしたとか、ここまで言われると『いやいや、あれは本来の自分のボクシングだから』と言いたくなってきました(笑)。記者会見で『判定でもいいから勝つ』と言ったのは、ボクシングスタイルを変えるという意味ではないので。なんかみなさん、そこにとらわれすぎているという感覚は正直あります。あのスタイル、いつでもできますから。それは言っておきたいですね」

――あくまでいつも練習でやっていることの中から今回はあのスタイルをチョイスしたということですね。

【次ページ】 王者の選択、KOか判定か

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