「ふふふ」永瀬拓矢が藤井聡太に敗戦後、電話口で本音…なぜ“AI期待勝率の急落”に興味がないか「この手を難しいと思えるのは将棋界に5人も」 

「主導権はこちらにありますが、形勢は難しいと思いました。類型がほとんどない将棋だったので、形で考えてしまうのはよくない。一手一手読みを入れなくてはいけません。ただそうなると消耗戦になります。まだまだ先が長いですし、押し引きが続いていく将棋なのかなと」

　その後、永瀬は盤面左辺の歩を突いて攻めていった。と思ったら右辺に角を打って馬を作る。視野が広い。

「私としては模様でよくしたかったんですけど、藤井さんがそれを許してくれない。だから局面を物理的によくしないといけないので、苦労した時間ではありました」

評価値下落も「ふふふ…本命視していないので」

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　基本は永瀬ペースだったが、形勢はわずかに揺れ動いた瞬間はあったようだ。永瀬が竜を作ると飛車交換になった。その後、永瀬が馬を3筋に引くと、藤井は飛車を敵陣に打ち下ろした。そして第1回で記した、藤井が玉を6七に上がり、永瀬が7九に飛車を打ってそれぞれ評価値を落とした局面の話になった。

　すると永瀬は「ふふふ」と笑い、言葉を続ける。

「私も藤井さんも飛車を7九に打つと思っているんです。だから代案の馬で4七の角を取って、その角を6九に打つという手は浮かんではいますが、本命視していないので」

　なぜ本命視をしなかったのか。

「本譜で勝ちだと思っているので、あまり他は読んでいなかったんです。形勢に関しては藤井さんも同じようなニュアンスだったと思いますが、具体的に正しい順を選ばれ続けてしまいました」

勝率急落「現状、そこには興味がないんですけど」

　さて、いよいよ核心の局面である。128手目に7九の飛車を5九に成り、永瀬の期待勝率が急落したところだ。

　すると永瀬は「現状、そこには興味がないんですけど」と語る。つい先ほど、タイトル戦に敗れた要因かもしれない局面に「興味がない」とは、どういうことなのか。〈つづく〉

#3に続く

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#4

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#3

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#2

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