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「麦のようにがんばっていきたい」来季続投、踏まれてもまっすぐ伸びるカープ新井貴浩監督の忍耐はいつまで続くのか?
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前原淳Jun Maehara
photograph byJIJI PRESS
posted2025/09/29 11:00
今季も我慢の采配を強いられた新井監督。来季の現状打開はなるか
監督や選手だけの問題ではない。各担当コーチがミスに対して注意で正すことができていたか。“選手ファースト”とはミスを看過することではなく、“ミスを恐れず積極的にプレーさせる”ための言葉。ときに厳しく指導して気づかせてこそ、成長を後押しするのだ。
今季は新井監督が自ら選手を監督室に呼び、個別に指導してきた。監督からの言葉は効果てきめんではあるが、毎度のように監督が動いてはその効果も薄くなる。
上位球団が戦力補強を進めた7月、広島は期限間際に育成選手2選手を登録するだけで支配下選手登録枠を使い切った。今季もまた、外部からの戦力補強はなかった。
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「うちにはうちのやりかたがある」
理想と現実の狭間で新井監督は常に球団のスポークスマンとなり、一部の批判の矢面に立った。黒星が先行しても選手のミスをかばい、敗戦の責任はすべて自分で負った。成果が見えた選手をたたえ、担当するコーチ陣を労う言葉も聞かれた。
新井監督はいつまで待つのか
ただ、「選手の育成には時間がかかる。特に野手の育成には時間がかかる」という新井監督の言葉を選手は額面通りに捉えてはならない。毎年数選手がユニホームを脱ぐ世界。2024年3月に侍ジャパンに選出されるなど大きな期待を背負った田村俊介は、4年目の今季も69打席に終わった。今年10月に行われるドラフトで即戦力候補として指名される大学生と同学年だ。年齢は同じでも新しい選手にチャンスが与えられるのがプロ野球。ポジションを掴み取る難易度は年々上がっていく。
クライマックスシリーズ争いから後退していったシーズン終盤、数少ない希望の光となったのは中村奨成だった。大きな期待を背負って入団してから8年目。入団時からポジションも背番号も変わってからの飛躍の理由は危機感だった。
今季、新井監督が選手に“強さ”を求めたシーズンで、その指揮官に納得させられるものを見せた選手はどれくらいいただろうか。
「やっぱり(選手を)育てていく、つくっていくというものは一朝一夕ではいかない。こちらは辛抱強く、忍耐強くやっていきたい。一、二軍含めて各選手が、どのようにしたら花を咲かせられるのか、知恵を出してやっていかないといけないと思う。選手は置かれた場所で絶対に花を咲かせてやるんだという気持ちで頑張ってもらいたい」
新井監督は来季へ向けて決意を新たにした。選手だけでなく、首脳陣やフロントも他責ではなく自責の念を持って、選手育成とチームづくりを進めていかなければいけない。

