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「休みの日、飲みに行くのは違う」阪神・藤川球児監督(45歳)が“異例の要求”…2連投したリリーフ投手に「自宅にいるように」NHK解説者が聞いた話
text by

遠藤修哉Naoya Endo
photograph byJIJI PRESS
posted2025/09/24 11:05
就任1年目の藤川球児監督(45歳)。“史上最速”でのリーグ優勝を果たした
「借金があろうとなかろうと、シーズン2位は2位だし、3位は3位。出場権があるのだから、堂々とCSで戦えばいいんです。シーズン上位のチームは本拠地開催だったり1勝をもらえたりするけど、オレはそもそもそういったアドバンテージすら必要ないと思ってる。上位チームが強いなら当然勝つし、もし負けるならその程度。短期決戦とはそういう舞台なんですよ」
制度に不満を述べるよりも、短期決戦で勝ち切るかどうかが全てだと武田氏は強調する。
「シーズンで圧倒的に勝っているチームなら、その力を短期決戦でも見せればいい。それができなければ“本当の王者”じゃない。逆に借金チームでも勝ち抜けば、それは立派な実力なんです」
阿部慎之助監督が語った「負けて当然」
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そんな挑戦者の立場で臨む巨人の阿部慎之助監督と武田氏は、名古屋で1時間近く語り合ったという。
「借金を背負ったままCSに出て戦うのはどういう気持ち? なんて話もしたけど、慎之助は『もしCSに行けたらもう阪神には負けて当然なんだから、当たって砕けろ。でも、短期は何が起こるかわからない』と話してたよ。腹を括っていた印象だった。それ以上のことも話したけど、それは内緒だよ」
下位チームが勢いで勝つ可能性も大いにあると武田氏はいう。
「1位のチームは“勝って当然”というプレッシャーを背負う。一方、下から上がってくるチームは“負けて当然”だから思い切ってプレーできる。その差が短期決戦では大きい。ドジャースにも言えるけど、短期決戦で初戦を落とすと、1位のチームが慌てるんですよ」
じっさい優勝した阪神はクライマックスシリーズ・ファイナルステージまで1カ月あまり待たされることになる。その間、試合勘とヒリヒリとした緊張感を失わず、準備をすることが肝要となる。
「たとえシーズン中に借金があろうと、下から上がってくるチームは試合勘を磨きながら、勝ち上がった勢いのままぶつかってくる。だけど、強いチームは、どんな悪条件でも勝つからこそ、強いんですよ。阪神のように独走して優勝したチームが短期決戦で負けるなら、それも実力のうち。いろんな人がCSを否定しているけど、そんな意見には耳を貸さなくていい」
実は武田氏が現役時代、投手人生の最後にバッテリーを組んだ捕手こそ、阿部監督。「オレはカットボールだけ投げるからサイン無しでいいか」「大丈夫です」。そんな信頼関係で結ばれた2人である。阿部監督に武田氏は、「CSを勝ち抜く“秘策”」を授けているかもしれない。
