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ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
「誰でもアメリカ行こうと思える時代」女子ゴルフ新常識…元“エリート”が痛感する“いまの子たち”との違い「米ツアーですぐ勝った若手」の共通点
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桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byOrlando Ramirez/Getty Images
posted2025/09/21 06:03
今季からアメリカに主戦場を移した岩井明愛(右)と千怜。米女子ツアー初の“双子優勝”を達成した
米ツアーのシーズンを戦い抜く上で必要とされるのは、心身の並々ならぬタフさに違いない。1年のうちに米国内だけでなく、アジア、欧州にも足をのばす。
男子PGAツアーでは週ごとの移動の負担を減らすため、米国内でも時期によって試合開催エリアが狭められる(フロリダシリーズ、西海岸シリーズ等)が、LPGAツアーはそこまでオーガナイズされていない。週ごとに西へ、東へ、また西へ……と実に非効率な長距離移動を強いられる。賞金の差もあって同じトップ選手でも、松山英樹のように次の会場までプライベートジェットでスタッフと一緒にビューン!というわけにもいかず、民間機を乗り継ぎ、ゴルフバッグを含め100キロ前後の荷物を持ち歩くのが日常だ。
山下が優勝した今夏のAIG女子オープン(全英女子オープン)。予選ラウンドのリーダーボードの上部には日の丸が並び、日本勢の勢いを見せつけた。勝は初日終了時点で30位。キャディのジョナサン(ジョニー)・スコット氏は、「あのボードに、みなみの名前がないのが悔しい。絶対に載せるんだ」と奮い立ったという。
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3日後、勝の最終成績は山下に2打差の2位。
彼女たちの「覚悟」は選手間だけでなく、それぞれのキャディやサポートスタッフにも伝播している。〈全2回/前編を読む〉


