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世界陸上400mで“日本史上最高”の6位入賞…23歳の新星・中島佑気ジョセフって何者? 決勝レース前には「スティーブ・ジョブズの言葉が頭に…」
posted2025/09/19 11:10
世界陸上男子400mで日本史上最高となる6位に入った中島佑気ジョセフ。予選では日本新記録をマークするなど大舞台で急成長を見せた
text by

和田悟志Satoshi Wada
photograph by
Kiichi Matsumoto
熱戦続く東京世界陸上。男子400mで34年ぶりの決勝進出を果たし、6位入賞を果たしたのが中島佑気ジョセフ(富士通)だ。23歳の新星は、果たしてどんなキャリアで世界の決勝に辿り着いたのか。《NumberWebレポート全2回の2回目/最初から読む》
陸上の世界選手権東京大会は日程も後半に入ったが、男子400mでは中島佑気ジョセフ(富士通)が、この種目で世界選手権とオリンピックを通じて日本勢最高順位となる6位に入る快挙を成し遂げた。
ナイジェリア人の父をもつ中島は東京都出身。高校はサニブラウン・アブデル・ハキームと同じ城西大附属城西高に通い、シドニー五輪日本代表の山村貴彦氏の指導を受けた。
しかし、高校時代に世界ユース選手権で100m&200mの二冠を果たすなど早くから傑出した存在だったサニブラウンとは対照的に、中島は早くから突出した活躍を見せたわけではなかった。
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インターハイに出場したのも3年時だけで、それも準決勝敗退に終わっている。だが、高校卒業後に東洋大に進むと、じわじわと頭角を現す。
大学3年時にリレーで世界陸上「4位入賞」
3年時の2022年世界選手権オレゴン大会で男子4×400mリレーの日本代表に。その舞台ではアンカーを務め、4位入賞に貢献し、アジア記録(当時)の力となった。
これが、中島がさらなる飛躍を遂げるきっかけにもなった。
「(オレゴン世界選手権では)完全に打ち負かされたわけではないんですけど、自分の力不足を感じるような4位で終わり、(個人種目の男子400mでは)マイケル・ノーマン選手の優勝を見て、自分もいつかは絶対にそこに立ちたいっていう目標を立てました。そこが僕のスタートラインだと思います」
ファイナリストへの出発点を問われた中島はこのように答えていた。

