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“テレビが報じない”絶対王者のウラ話「世界記録にフォーカスした瞬間、重圧が減った」…世界陸上で話題の棒高跳・デュプランティスが明かした胸の内
text by

涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph byJIJI PRESS
posted2025/09/19 06:03
大きな盛り上がりを見せた男子棒高跳のアルマンド・デュプランティスの世界陸上での世界新記録。テレビに映らなかったその後の会見の様子は?
「どの世界記録が印象に残っているか、比べることはできないですね。どの世界記録も私にとっては大切。ただ、初めて6m30cmを超えたことは新しいバリアを乗り越えたことになるかもしれませんね。本当に幸せです」
質疑応答が終わった時、時刻は深夜12時40分を回っていた。それでもデュプランティスは最後まで真摯に受け答えをして、疲れを見せなかった。
王者と海外メディアの「緊張関係」
でも、その表情や佇まいは、棒高跳のピットで見せる爆発的なパフォーマンスや感情の発露とは程遠いもので、決して敵対的なものではないけれど、かつてはメディアとの緊張関係があったことをほのかに感じさせるものだった。
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会見が終わるとデュプランティスは静かにひな壇から降りていった。
メディアから拍手が起こるかなと思って、膝上のノートパソコンを閉じて準備をしたけれど、何も起こらなかった。拍子抜けをしてしまい、躊躇しながら3回だけ小さく手を鳴らした。
そのかわり2025年の東京でヒーローになったアスリートに、心の中で大きな拍手を送った。

