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“テレビが報じない”絶対王者のウラ話「世界記録にフォーカスした瞬間、重圧が減った」…世界陸上で話題の棒高跳・デュプランティスが明かした胸の内 

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涌井健策(Number編集部)

涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui

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posted2025/09/19 06:03

“テレビが報じない”絶対王者のウラ話「世界記録にフォーカスした瞬間、重圧が減った」…世界陸上で話題の棒高跳・デュプランティスが明かした胸の内<Number Web> photograph by JIJI PRESS

大きな盛り上がりを見せた男子棒高跳のアルマンド・デュプランティスの世界陸上での世界新記録。テレビに映らなかったその後の会見の様子は?

 跳躍前、スタンドに向けて口に人差し指を当てて見せたパフォーマンスについては「沈黙を求めたのか?」という質問が出たが、答えの時には意外な名前も飛び出した。

「沈黙や静けさ、というよりも、スタンドに向けて『ちょっと落ち着いて』と言いたかったんです。一度、6m10を跳んだ後には、イチロー・スズキのポーズもやってみた。ちょっとステューピッドな(ふざけた)ことだったけど、彼を演じてしまったんだ(笑)。イチロー・スズキは知っている? とても有名な野球選手だよ」

 野球が盛んではない国のメディアに対する配慮も見せつつ、日本のスターの名前を出すことで開催国へのリスペクトを示し、さらにアメリカで育った自分自身の背景も伝える絶妙な受け答えだった。

世界記録にフォーカスした瞬間「少し楽に…」!?

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 会見の後半では、話題は当然のように「世界記録」にフォーカスされていった。

「今日は世界記録にフォーカスした瞬間、重圧が減って、少し楽になったんだ。金メダルを取るのが一番の目的だったから、そのあとはデザート、ボーナスラウンドだなと思っていた。

 あの時間がとても好きなんです。一緒に競い合った選手たちが世界新を祝福してくれたのは、特別なこと。僕が世界記録へ挑戦している時の彼らの愛や応援に感謝しているし、特別なエネルギーをもらえる。家族みたいな存在なんだ」

【次ページ】 王者と海外メディアの「緊張関係」

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#アルマンド・デュプランティス
#ルイジアナ州立大学

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