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連勝からまさか3連敗…ロコ・ソラーレはなぜ“競り負けた”のか? 藤澤五月「ほんとうに単純な敗因です」カーリング代表決定戦のウラに“ある変化”
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松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byJIJI PRESS
posted2025/09/16 17:02
日本代表決定戦で敗れたロコ・ソラーレの選手たち
背景に、カーリング女子全体の“拮抗状態”
ただ、そこばかりがクローズアップされる必要はない。
大会では、大差で勝った試合もあったが、SC軽井沢クラブとの4-5をはじめ拮抗した試合も少なくはなかった。初日のフォルティウスとの試合も10エンドで勝負が決せず、エキストラエンドに突入しての9-7での勝利だった。またフォルティウスに敗れた2日目も6-7の1点差だ。
ロコ・ソラーレに限らず、フォルティウスとSC軽井沢クラブとの対戦でも、競り合うゲームがみられた。
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近年、国内女子はレベルが上がり、拮抗した状態が続いていた。今大会もまた、それを反映しているようだった。その中でもわずかな差が、結果となって表れていた感がある。
タイブレークでフォルティウスに敗れた試合では、フォルティウスのスキップ吉村紗也香の数々の好ショットもさることながら、サード小野寺佳歩のショットがよく、吉村によくつないでいた。この試合に限らず、大会を通じてフォルティウスのリードである近江谷杏菜の精度の高さも際立っていた。今年2月の日本選手権で優勝したときにも培った地力はみせていたが、連敗スタートのところから巻き返した今大会では、なお光っていた。
SC軽井沢クラブもまた、日本代表決定戦に出場したチームたるプレーをみせた。最終戦でフォルティウスに敗れたあと、スキップの上野美優が「自分たちのやらなければいけないことを最後まで集中してやりきれました」と語っている。その言葉通り、もてる力を発揮してみせた。
また総じて、ロコ・ソラーレは対戦相手とは相対的にセットアップの部分で苦しんだ面もあったのではないか。
フォルティウスの“執念”が上回った
いずれにせよ、力をつけたチームが増えてくる中、日本代表決定戦に進んだチームのレベルも上がり、容易に勝つことができない状況があった。ほんの小さなところから勝敗がひっくり返る力関係にあった。
4年前、フォルティウスとの一騎打ちとなった日本代表決定戦では、今回とは逆に、連敗して瀬戸際に立たされてから3連勝し、逆転で日本代表の座を手にした。その再現とならなかったのは、強いて言えば、フォルティウスのオリンピックへの執念が上回っていたからかもしれない。

