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北海道銀行との契約終了、貯金切り崩し生活…カーリング激闘を制したフォルティウス“苦難の過去”「最後の一投は…」敗れたSC軽井沢クラブが語った「差」
posted2025/09/15 17:08
SC軽井沢クラブを破り、日本代表決定戦を制したフォルティウスの選手たち
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
JIJI PRESS
わずか数cm。試合を、そして代表を決めた小さな数字は、ある意味、象徴的だった。
9月11日から14日にかけて、カーリング日本代表決定戦が行われた。3チームが参加した女子は予選リーグでそろって2勝2敗、ドローショットチャレンジによりSC軽井沢クラブが1位で決勝に進み、2位のフォルティウス、3位のロコ・ソラーレがタイブレークで対戦。ロコ・ソラーレに勝利したフォルティウスが決勝に進んだ。
最終戦は、長く記憶に残る勝負に
決勝は予選リーグも含め3勝したほうが勝利となる。その初戦となった13日はSC軽井沢クラブが勝利し、予選リーグと合わせて2勝1敗、優勝に王手をかけた。だが14日の午前の試合でフォルティウスが勝利。優勝は最終戦に委ねられた。
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その一戦は、長く記憶に残る勝負となった。
第2エンド、フォルティウスが1点を獲るが続く第3エンド、SC軽井沢クラブのスキップ上野美優のスーパーショットで同チームが2点。第5エンドはSC軽井沢クラブにややミスが出たのをフォルティウスが逃さず3点を獲り、4-2のリードで折り返す。だがSC軽井沢クラブも引き下がらず、5-5で第10エンドを迎えた。
先攻はSC軽井沢クラブ。一般に先攻が不利とされるが、スチールを狙いプレッシャーをかけていく。最後、スキップ上野のヒット&ロールも狙い通りに決まり、最終ショットを投じるフォルティウスのスキップ吉村紗也香に重圧がのしかかる。
敗れたSC軽井沢クラブ上野が語った“差”
吉村がドローショットを投じる。
思い描いたであろうところよりもわずかに長かったが、ストーンが止まる。ぱっと見た瞬間に、SC軽井沢クラブの赤いストーンとどちらが中心に近いかはっきりわからない差だった。

