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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
阪神独走Vを許したセ各球団の“大誤算”「バウアー自滅、牧秀悟もオースティンもケガのDeNA」「巨人は戸郷翔征“投球過多のツケ”と岡本和真ケガ」
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama/JIJI PRESS
posted2025/09/16 17:03
戸郷翔征、バウアーが苦しんだ巨人とDeNA……阪神独走優勝の裏で起きていた各球団の誤算・敗因を探る
今季、巨人は「NPB最強クローザー」の誉れも高いライデル・マルティネスを中日から4年総額48億円(推定)の巨費を投じてFAで獲得。今季は2017年、ソフトバンクのデニス・サファテが記録した54セーブを更新するかと期待された。しかし現在の成績は以下の通り。
ライデル・マルティネス
24年 60試2勝3敗43S7H58回 率1.09
25年 52試3勝2敗41S3H50.1回 率1.25
あと11試合を残しているものの、最下位中日にいた昨年より登板数、投球回数ともに下回っている。
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リードした状態でライデルにつなぐ状況(セーブシチュエーション)が少なかったのだ。ライデルに次ぐクローザーだった大勢を中継ぎに回してまで獲得したにもかかわらず、宝の持ち腐れに近い状態だったとえよう。
岡本離脱…泉口やリチャードは成長したとはいえ
打撃陣では、岡本和真の離脱に尽きる。
岡本和真
24年 150安27本83点 率.280
25年 68安11本37点 率.319
絶対的な中軸を失い、最多本塁打はキャベッジの16本、次いで8月16日に再登録された岡本の11本、5月にトレードで獲得したリチャードの10本だった。
泉口友汰の成長があったとはいえ、岡本以外の中軸打者が育っていない状況で、投手陣の援護は弱かった。昨年、巨人は阪神と12勝12敗1分と互角の戦いだったが、今季は8勝17敗と9つも負け越し。阪神の優勝を後押しした形だ。
では、CS進出が難しくなっている広島・中日・ヤクルトの各球団はどの要素で苦しんだのか。〈つづく〉

