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「44試合19本塁打」村上宗隆の離脱3カ月超、「防御率2.48で6勝14敗」森下暢仁、高橋宏斗も負け越し…広島・中日・ヤクルトの“大誤算”

posted2025/09/16 17:04

 
「44試合19本塁打」村上宗隆の離脱3カ月超、「防御率2.48で6勝14敗」森下暢仁、高橋宏斗も負け越し…広島・中日・ヤクルトの“大誤算”<Number Web> photograph by JIJI PRESS

驚異的ペースでホームランを量産している村上宗隆。ただヤクルトは彼がシーズンフル稼働していたとしても……。

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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 史上最速となる阪神の独走優勝を許したセ・リーグ各球団。成績的に見てどこが奮わなかったのか。第1回の巨人、DeNAに続いて見ていこう。〈NumberWebレポート/全2回、第1回からつづく。成績はすべて9月15日終了時点〉

広島・森下は防御率2.48なのに6勝14敗

《広島》
 2024年、広島は9月に5勝20敗と大敗して戦線離脱しファンを大いに失望させた。マツダスタジアムの猛暑が影響したとも言われている。今季は7月に早くも4勝16敗3分と躓き、8月は14勝12敗と持ち直すも9月は5勝8敗。3位争いも難しくなっている。対阪神戦は6勝17敗、11の負け越し。セ5球団でワーストだ。

 投手陣は、安定したローテーション投手だった九里亜蓮がFAでオリックスに移籍したのが痛い。

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〈今季先発陣〉
床田寛樹24試9勝10敗162.2回 率2.82
大瀬良大地22試7勝8敗128.2回 率3.29
森翔平21試7勝6敗122回 率3.39
森下暢仁22試6勝14敗152.1回 率2.48

 3人が負け越している。防御率は3点フラットと悪くない。要するに好投しても味方の援護が少なくて、報われない結果になっている。

 特に森下は22試合で19試合がQS(クオリティスタート。6回以上投げて自責点3以下)これはDeNAの東克樹の20に次いでリーグ2位。HQS(ハイクオリティスタート。7回以上投げて自責点2以下)13試合は阪神の村上頌樹と並ぶ1位だ。しかし村上がHQS13試合で8勝0敗なのに対して森下は4勝7敗。エースの好投を打線が見殺しにしているといえるだろう。

 ただし終盤に来て、髙太一という新戦力が登場し、6試3勝1敗37.2回 率2.15と目覚ましい活躍。彼が来季の希望になるだろう。

 救援陣は島内颯太郎(29H)、森浦大輔(25H)、栗林良吏(23H)、テイラー・ハーン(20H)と優秀だが、クローザーは固定できず。そもそもリードして引き継ぐことが少なかった。

 打線は鈴木誠也がMLBに移籍して以降、中軸打者がいない。期待がかかる末包昇大、坂倉将吾らが伸び悩んでいる。今年は新外国人のサンドロ・ファビアンが16本62打点 率.281とまずまずの出来。また中村奨成が後半戦1番に定着するなど成果もあったが、チーム打撃がリーグ最下位の68本塁打では浮上は厳しいところだ。

中日も投手は優秀だが、痛すぎた細川離脱

《中日》
 立浪和義監督の3年間、最下位に低迷していた中日だが、今季は広島と4位争いをしている。何より目覚ましいのは、阪神戦、11勝11敗と5球団で唯一負け越していないこと。4月に阪神戦で4連勝するなど互角の戦いだった。

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