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「え!便乗ガッツポーズ!?」三浦璃来が木原龍一に思わずツッコミ…世界最強ペア“りくりゅう”が国際大会初戦で優勝「今日はちょっと暴れてましたね(笑)」

posted2025/09/18 17:03

 
「え!便乗ガッツポーズ!?」三浦璃来が木原龍一に思わずツッコミ…世界最強ペア“りくりゅう”が国際大会初戦で優勝「今日はちょっと暴れてましたね(笑)」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

今季のフィギュアスケート国際大会初戦となる木下グループ杯で優勝を果たしたりくりゅうペア。フリー演技後に氷上に膝をつく木原龍一の頭を優しくなでる三浦璃来

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野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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Asami Enomoto

 今季のフリー「グラディエーター」の力強い歌詞に乗り、最後のエレメンツ「コレオシークエンス」の動きへと入っていく。木原龍一が三浦璃来を抱き上げると、さらに自分の首の後ろに担ぎ上げて三浦の身体を回転させてから、高々と頭上に掲げた。三浦が左手を高く突き上げる。全身全霊で2人の夢をつかみとるような、印象的なフィニッシュポーズだ。

 4分間の死闘ともいえるラストに持ってきたのは「4つ目のリフト」。2人の「頂点」へのゆるぎない想いと決意が、そのリフトにみなぎっていた。

ミラノ・コルティナ五輪に向けた今季国際大会初戦

 2026年ミラノ・コルティナ五輪の頂点を目指すシーズンが始まった。結成7年目となる三浦&木原ペア「りくりゅう」は、北京五輪直後の22年世界選手権で銀メダルを獲得してから、23年は金、24年は銀、そして25年は金メダルに返り咲き、名実ともに世界最強ペアとなった。

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 昨季の全試合が終わった4月、2人はこう振り返った。

「五輪前のシーズンに、失敗と成功の気持ちの持っていき方の違いを、改めて経験できました。やっぱり僕達には楽しむことが大事という初心を思い出せました」(木原)

「この2年、怪我だったり、自分たちの滑りができない時期もありました。すべてのことを乗り越えてきたという嬉しさがあります」(三浦)

 五輪への勝負をかけてこの夏、2人はこれまでの経験をもとに念入りな計画を練った。国際大会初戦に選んだのは「チャレンジャーシリーズ(CS)木下グループ杯」(9月5-7日)。

「この夏は、試合に向けてスケジュールを組み、本当にその通りに動けています。今季は気持ちの余裕をもって練習に挑めています」と三浦が笑顔を見せると、木原も「この夏は良い練習を積んできたという自信があります」とうなずいた。

 ショートは昨季からの継続で「Paint It Black」。振付師のシェイリーン・ボーンと共にブラッシュアップを重ねた。

「昨季は、6月に振り付けしていただいたあと、オンラインでしか手直しができていませんでした。今季はオフに手直ししただけでなく、コンセプトをもう一度シェイリーン先生に説明していただき、細かなアドバイスを録画して(ホームリンクの)先生方と共有してやってきました」

 と木原。繊細な曲想理解にまで踏み込んだことで、演技の力強さや一体感を磨いてきた。

「え! 便乗ガッツポーズ!?」

 迎えた本番。昨季の「紫と黒」からイメージチェンジした「赤と黒」の衣装に身を包み、見つめ合って握手をすると、スタートポーズについた。

「今回はウォーミングアップから余裕を持っていて、2人で楽しく話をしながらできていました」(三浦)

 高さのある3回転ツイストに続き、3回転トウループ、スローの3回転フリップを次々と決める。膝をついてしゃがみ、ジャッジを睨みつけるフィニッシュポーズ。三浦がすぐさまガッツポーズで笑顔を爆発させると、一歩遅れて木原もガッツポーズをした。

【次ページ】 「え! 便乗ガッツポーズ!?」

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