「勉強、故障と理由をつけて休もうとする」芝浦工大チームを箱根駅伝に導けるか!? 徳本一善新監督の挑戦「改善できない選手にはやめろ、と言います」 

「前の大学にも、遊びたいと思った瞬間、その欲求に勝てない学生はいたんです。そういう子がうちにもいるし、そもそも陸上熱が低いんですよ。これはけっこう大きな問題です。

　本当に箱根に行きたい選手なら他の大学に行くでしょうし、予選会で20番以下の大学には来ないです。それでも来るのは、就職に有利とかのウエイトが大きくて、そこで駅伝で推薦をもらえるからなんです。そうして4年間過ごすので、どうしても緩くなるし、それじゃ箱根に真摯に向き合えない」

真摯な意見は認める

徳本監督自身（中央）も学生時代は髪を法大カラーのオレンジに染めるなど自由奔放なキャラクターで大活躍した　©JIJI PRESS

　一方で徳本監督は、大学時代の自分がそうであったように、強くなりたいと思う選手に対しては、常に門戸を開いている。

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「こういうやり方が気に入らない。俺は、こんなやり方じゃなくても強くなれる。そう思う選手がいても当然だと思うんです。それはすごく大事なことで、自分が強くなりたいがために『こうしたい』と言ってきたことは基本的に認める。

　今のところ説得力があるプレゼンをしてきた選手はほとんどいないですけど、なかには採用したのもあります。『ポイント練習をした後のミーティングはやめてほしい。ポイント練習後は疲れているので、ケアをして早めに休みたい』と言われたので、確かにそうだなって思い、ジョグの日にミーティングすることにしました」

改善できないなら、おまえは無理だ

　指導を始めて3カ月は、我慢のレベルを下げ、練習のレベルも落とした。監督として、箱根を目指す上ではもうギリギリのラインだった。そういうなかで個人面談を行い、「厳しい」と嘆いたり、練習に喰らいついていく姿勢が見えない学生に対しては、最後通告をして決断をしてもらう。

「基本的に走りを見ていれば、こいつは速くなるな、こいつはダメになるというのは分かるんです。なぜかというと、もう13年間も同じことをしてきているから。でも、だからといって、頑張っている選手を頭ごなしにやめさせるわけにはいかない。ただ、こうしたら良くなるよと伝えても努力せず、改善が見られない選手にはストレートに『改善できないなら、おまえは無理だ。やめろ』と言います」

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