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「勉強、故障と理由をつけて休もうとする」芝浦工大チームを箱根駅伝に導けるか!? 徳本一善新監督の挑戦「改善できない選手にはやめろ、と言います」
posted2025/09/18 11:07
箱根駅伝出場経験のない学生たちに命じた練習内容から、自身が考える学生スポーツの意義までを徳本一善新監督が語った
text by

佐藤俊Shun Sato
photograph by
Ichisei Hiramatsu
今春から芝浦工大駅伝部監督に就任した徳本一善。厳しい指導に戸惑う学生たちの意識を変え、競技力を伸ばすために、彼らに向かい合う日々を聞いた。〈NumberWebインタビュー全3回の2回目/つづきを読む〉
芝浦工大駅伝部の徳本一善監督は、学生の意識改革を始めるのと同時に、競技面にも大きなメスを入れていった。
こんなの、箱根を目指すチームじゃあり得ない
昨年の練習状況を学生に聞くと、チームで集合して練習することがほとんどなかったという。授業の関係で難しいのかなと思ったが、よくよく聞いていくと、個人練習がほとんどで朝も気が乗らなければ走らない、同好会やサークルのようなノリだったのだ。
「こんなの、箱根を目指すチームじゃあり得ない。単にだらしないだけで、しっかりタイムマネジメントをすれば朝も午後も集まれるので、集合時間を作ることにしました。ただ、午後は4限、5限の授業がある子がいるので、時間差を付けざるをえなくなる。朝は5時45分に全員集合にして、午後は午後4時、午後5時15分の2回に分けて集合し、練習をすることにしました」
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さらに徳本を驚かせたのは、最初のポイント練習の時だった。強度の高い練習メニューに参加した学生は、42名中たったの7名だった。
あれこれと休もうとする選手たちに……
「みんな、キツい練習に前向きじゃないですし、あれこれ理由をつけて休もうとするんです。飯を好きなだけ食べて、練習を適当にやってきたのが習慣づいていたし、勉強が忙しいからって、勉強を理由にして逃げようとしている。故障を理由に練習をサボる選手もいました」
故障したと告げてくるなかには1年間、1試合も出てない選手もいた。他にも“故障”というカードを手に逃げている選手が多いと感じた。

