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大谷翔平に代わり先発登板した投手シーハンが“記念球”をめぐり大炎上…誹謗中傷&脅迫メールまで「お詫びにカーショウのサインボールを…」
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及川彩子Ayako Oikawa
photograph byGetty Images
posted2025/09/15 17:07
9月3日に大谷翔平の体調不良により代替登板したドジャースのエメット・シーハン。“記念球”をめぐり思わぬ騒動に巻き込まれることに…
「(バーランダー氏は)根拠のないことを言って物議を醸す。事実確認もせずに発言する。それが人を傷つけるということを理解していない。彼の発言のせいでシーハンには誹謗中傷のメールや、脅迫めいたことまで届いている」
登板翌日、シーハンは明らかに元気がなかった。チームが負けたことだけではなく、SNSでの誹謗中傷を目にした影響も少なからずあったのかもしれない。
「俺はとても怒りを感じている」
トライネンは語気を強めてこう続けた。
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「俺はとても怒りを感じている。(バーランダー氏は)理由もなく、平気で他人を傷つけた。とても恥ずべき行為だと思う。彼はシーハンに謝るべきだ」
右腕は怒りが収まらなかったのだろう。語気を強めてこう言った。
「この(自分の)発言はこのまま書いてくれて構わないからね」
トライネン自身、SNSなどで誹謗中傷を受けた経験を持つと話す。
「みんな、タブレットやスマホ、ビデオゲームなどに夢中になって、現実を忘れてしまっている気がする。人と直接会って話したり、リアルな経験をすることが、すごく軽視されているように思う。直接本人に言えないようなことをSNSで言うのも、その弊害だと思うんだ」
罵詈雑言の嵐に耐えられなくなり…
ベテラン右腕の「シーハンへの誹謗中傷のメールや、脅迫めいたこと」という言葉が気になり、本人に確認すると「たくさん届いた」と悲しそうな表情で教えてくれた。
パイレーツ戦後にいつものように自分のアカウントを開いたが、罵詈雑言の嵐に耐えられなくなり、「しばらくアカウントを見ないことにした」と話す。その数はおそらく100以上で、トミー・ジョン手術を受け、リハビリを経て戻ってきたシーハンに対して、「ケガをすればいい」というような発言もあったと言う。
言葉は時に刃になる。
スポーツ選手たちは、現実世界の人間には思えないのかもしれない。手元の小さな画面を見ながら、何気なく発してしまうことはあるかもしれない。でも、その画面の向こうには「生身の人間」がいることを忘れてはいけない。


