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広陵高校の暴力問題“発覚前に投稿された”動画に異例の反響「寮よりも“通い”がいい」今浪隆博に聞く「寮生活の謎ルール…なぜ常識からズレるのか」

posted2025/09/07 17:00

 
広陵高校の暴力問題“発覚前に投稿された”動画に異例の反響「寮よりも“通い”がいい」今浪隆博に聞く「寮生活の謎ルール…なぜ常識からズレるのか」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

8月7日、甲子園で指揮をとる広陵の中井哲之前監督。初戦に勝利した3日後、広陵は出場辞退を発表した

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曹宇鉉

曹宇鉉Uhyon Cho

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Sankei Shimbun

広陵高校の暴力問題を契機に「野球部の寮生活」への関心が高まるなか、問題が発覚する以前の6月にプロ野球OBが投稿した“ある動画”に注目が集まっている。「プロ野球選手を目指すなら、寮よりも自宅から通ったほうがいい」――現役時代は日本ハムとヤクルトでプレーし、現在はスポーツメンタルコーチとして活動する今浪隆博氏が、視聴者からの質問にそう答えた理由とは? 寮生活の問題点や「野球部の伝統」にまつわる見解を聞いた。(全2回の1回目/後編へ)

大学で体験した寮生活の「無駄なところ」

――広陵高校野球部の暴力問題が報じられる1カ月以上前の6月23日に、YouTube『今浪隆博のスポーツメンタルTV』で公開された動画が注目を集めています。テーマは「野球の上手な息子に18校のスカウトが来て困っています。『寮』と『通い』どっちがいいですか?」というもの。この質問に対して、今浪さんは寮生活のデメリットをあげながら「通い」を推奨されていました。

今浪隆博(以下、今浪) この企画はあくまでも僕のチャンネルの視聴者の質問に答えるものだったので、それ以上の意図はなかったんですが、結果的にすごく多くの方に見ていただいているようです(9月6日時点で約30万回再生)。広陵の問題が発覚して以降、次々に新しいコメントが届いているような状態です。視聴者の方に楽しんでもらいたいと思って発信していることが、こういった形で反響を集めるとは想像していませんでした。

――今浪さんご自身は平安高校時代に下宿生活を経験され、明治大学で寮に入っています。そのうえで、「寮でできることは通いでもできる」と解説していますね。

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今浪 もちろん自分の経験ベースでしかないのですが、そのうえで忖度抜きの話をさせてもらいました。両方選択肢があるなら絶対に寮ではなく通いでしょ、と。ただ前提として、あくまでも「寮」と「通い」を選べる立場の方への答えではあります。実家から通いで行ける範囲に選手の実力にマッチした学校がないケースももちろんありますから。

――明治大で実際に寮生活をされていて、「これは無駄だな」「野球をするうえで必要ないな」と感じた部分はどんなところなんでしょうか。

今浪 すべてです(笑)。

――すべて、ですか。

今浪 はい。これはもう、僕のなかでは結論だと思っています。

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