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CS死守へ!「牧さん宮﨑さんがいないから、で終わりたくない」DeNA林琢真25歳“主力の穴”を埋める成長とは「約10kgの肉体改造」「愛妻のために」
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2025/09/08 11:04
牧、宮﨑が不在の内野をどこでも守り、キャリアハイの出場数を更新している林琢真。今季の成長の要因を語った
「入団から2年、自分のなかでもっとやらなきゃという気持ちが強かったんです。なにかを変えなきゃいけないって」
林と同じポジションにはスピードと強肩が売りの森敬斗や、経験豊富な京田陽太、パンチ力が魅力の石上泰輝、ソフトバンクから移籍した三森大貴などがおり、小柄な林は「このままでは埋もれてしまう」といった強い危機感を持ったという。
走れなくなるぐらいまで体を大きくしてみよう
「そこで着目したのが肉体だったんです。よくチームメイト、例えば宮﨑(敏郎)さんとかから『一度体を大きくしてみれば』みたいなアドバイスをもらっていて、だったら一回やってみようかなって。僕としては走れなくなったらいけないという思いもあったのですが、もうそこは度外視して、走れなくなるぐらいまでやってみようって」
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オフに林は、今年結婚した妻の協力もありフィジカル強化に努めた。ベンチプレスではMAX120kgを挙げ、体脂肪は15%ほどに絞り込まれた。結果、懸念していた走力も落ちることなく増量は成功し、盗塁は過去最多の10を記録している。
現状を鑑み林は確信した様子で言った。
「数字的に見ても、この選択は間違っていませんでした」
しっかりと犠飛を外野まで飛ばせるように
8月13日のヤクルト戦(神宮)ではプロ入り初の本塁打を放った。
「入るとは思わなかったのでびっくりしたんですよ」
そう言うと林は笑った。更に16日の中日戦では広いバンテリンドームで2号本塁打を放っている。
本塁打はもちろん素晴らしいが、それよりも林の打席で目を奪われたのが犠飛を淡々と打っていたことだ。17日の中日戦、4-4の同点の12回表、1死満塁で林が打席に入ると、梅野雄吾が投じたストレートを弾き返し、値千金の中犠飛で勝ち越しを演出。19日の広島戦(横浜スタジアム)では2回裏、1死一、三塁で床田寛樹のカットボールを捉え、先制となる中犠飛を放っている。犠飛を打つのは決して簡単なことではない。以前の林だったら、ここぞの場面で外野の深いところまで飛ばすのは難しかっただろう。


