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「ちょっと泣きそうになりました」ダルビッシュ有を感激させた“悪役”マチャドの執念ヘッドスライディング「ドジャース追撃を諦めない」パドレスの本気度 

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山田結軌

山田結軌Yuki Yamada

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photograph byGetty Images

posted2025/09/08 11:01

「ちょっと泣きそうになりました」ダルビッシュ有を感激させた“悪役”マチャドの執念ヘッドスライディング「ドジャース追撃を諦めない」パドレスの本気度<Number Web> photograph by Getty Images

ドジャースとデッドヒートを繰り広げるパドレスを引っ張るダルビッシュ。その貢献はマウンド上だけにとどまらない 

「あのプレーはもう無理かも」

 試合後、その珍しいプレーについて問われるとマチャドは笑った。

「考えていたのは、追加点を取ること。足ではもう勝てない。スライディングはもうしたくないので、あのプレーはもう無理かもしれない」

 決して俊足が売りの選手ではないが、2015年には20盗塁するなど通算111盗塁を記録している。

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 ドジャースを封じたダルビッシュについてはこんな言葉で称えた。

「素晴らしかった。ユウがどんなことと戦ってきたか知っているし、(コンディションが)100%じゃない状態で投げる大変さも理解している。そんな状態で今夜が、僕が見た中でベストだった」

“ヒール役”マチャドの良き理解者

 今季、肘の負傷に苦しむ右腕を身近でみてきた。盟友について語るメディアの囲み取材の最中、どこからかパチパチパチと拍手の音がした。ニコリと笑って、帰途に着く先発右腕だった。

 ダルビッシュの表現する「ああいう感じ」とは、マチャドが世間から“誤解”されている一面を意味しているのかもしれない。一般的には、マチャドは「怖く」見られがちだ。オリオールズ時代など20代の若かりし頃には、ラフプレーで他球団やファンからの反発を招いたこともある。

 相手への闘志がときによからぬ方向に向かうこともあった。地元ファン以外からはダーティーなイメージを持たれ、いわば“ヒール役”に映っているだろう。チーム内でも、ときには近寄りがたい雰囲気かもしれない。古い表現を使えば、いわゆる“ガキ大将”タイプ。ダルビッシュは“緩衝材”の役目を請け負うことで、チームリーダーを後方支援している。

トレード5件…パドレスの執念

 33歳のベテランは、よきアニキ分として存在感が大きい。英語とスペイン語のバイリンガルで、チーム内のコミュニケーションを円滑にする能力に長けている。裏方のスタッフには、労いのプレゼントを贈る。情熱的に感情を表現しながら、チームを引っ張る姿勢がチームメートとサンディエゴのファンから支持を集めている。まさにその情熱、ライバルとの試合への思いが凝縮されたシーンこそ、ドジャース戦でのヘッドスライディングだった。

【次ページ】 40歳目前「変化も楽しみながら…」

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