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「祖母が沖縄出身、ミドルネームは“泰斗”」女子バスケ日本代表HCコーリー・ゲインズ(60歳)ってどんな人? 運命を変えた“クレイジーな青春時代”
text by

宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byNBAE via Getty Images,Yoko Miyaji
posted2025/08/22 11:05
現役時代はNBAでプレーしたバスケットボール女子日本代表HCのコーリー・ゲインズ(1990年撮影)。右の写真は昨年、河村勇輝の視察に訪れた際のもの
ある日、リチャードソンの友人がUCLAに訪ねてきた。その翌シーズンからロサンゼルス郊外のロヨラ・メリーマウント大(LMU)でプレーすることが決まっていたボー・キンブルとハンク・ギャザーズだった。たまたまその場にいたゲインズは、彼らといっしょにピックアップゲームをし、彼らから「LMUに転校しないか」と誘われた。
「それは、人生で最も難しい決断でした。UCLAでルームメイトだったレジー・ミラーからは『行かないでほしい』と引き留められました」
結局、LMUへの転校を決断。そしてLMUで、当時同大ヘッドコーチを務めていたポール・ウェストヘッドに出会った。今に至るまで師とあおぐコーチだ。
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ウェストヘッドは当時、まだ画期的だったラン&ガンスタイルのオフェンスでLMUを率いていた。そのウェストヘッドのもとでゲインズはスターティング・ポイントガードとしてほぼ全試合に出場し、平均17.4点、8.7アシストという好成績を残した。チームとしてもNCAAトーナメント2回戦まで進出。何よりも、バスケットボールに対する情熱を取り戻した。
「もしプー(リチャードソン)がUCLAに来なければ、そんなことは起こらなかったでしょう。私にとって最悪の出来事が最高の出来事になりました。そのおかげで私のメンターであるウェストヘッドコーチと出会うことができたのですから」
影響を受けた3人のコーチ
ちなみに、ゲインズがコーチとして影響を受けた人物は3人いるという。ニューヨーク・ニックスに入ったときのヘッドコーチ、パット・ライリー、シアトル・スーパーソニックスでのヘッドコーチ、ジョージ・カール、そしてウェストヘッドだ。ライリーからはモチベーションの与え方、カールからはコミュニケーション力、そしてウェストヘッドからはシステムを学んだ。それぞれタイプが違うコーチから影響を受け、学んだことで、今のゲインズがある。

