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「大変なところに来てしまった…」あの清原和博がすごい形相で…PL学園“最強世代”が追いかけた“KKの背中”「自分が通用するのか不安だった」 

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城島充

城島充Mitsuru Jojima

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photograph byToshihiro Kitagawa/Katsuro Okazawa

posted2025/08/21 11:05

「大変なところに来てしまった…」あの清原和博がすごい形相で…PL学園“最強世代”が追いかけた“KKの背中”「自分が通用するのか不安だった」<Number Web> photograph by Toshihiro Kitagawa/Katsuro Okazawa

桑田真澄、清原和博を擁して全国制覇を達成した85年のPL学園。彼らの2学年下でのちに「最強世代」と呼ばれた後輩たちはその背中をどう追いかけたのか

 野村と同じ年に、立浪和義、橋本清、片岡篤史もPL学園に入学した。桑田と清原たちが31期だから、彼らはPL学園野球部33期生になる。後にプロ野球でも活躍するこの4人を軸にした33期は2年後、史上4校目の春夏連覇を達成する。その第一歩は、桑田や清原の背中を追うところから始まったのだ。

 桑田を見ておけ――。

 橋本と野村は、監督の中村順司にそう言われたのを覚えている。入学してまもない5月の中旬、サブグラウンドで練習していた新入生が、上級生と初めて合流した日だった。

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 だが、橋本は桑田のピッチングを直視できなかった。

「ずっと憧れていた人が、目の前にいるんですよ。なにかを盗もうとか、参考にしようという感覚では見られなかった」

 野村はボールの切れと正確なコントロールに驚いた。桑田の右手からリリースされたボールは、白い糸をひくようにキャッチャーミットに吸い込まれていく。

「キャッチャーがミットをほんの少し、下に傾けて捕球するんです。つまり、ボールが手元でホップするように伸びてるんです。テレビで見るより凄いなって驚きました」

 清原のバッティングも、鮮烈だった。

「清原さんの打球はピンポン球のように…」

 バットを軽く振っているようなのに、打球は快音を残して飛んでいく。「自分がPLで通用するのか不安だった」という片岡は、その迫力に圧倒された。

「こっちは前に打球が飛ばなくて悩んでいたのに、清原さんの打球はピンポン球のように飛んでいくんですから……」

#清原和博
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