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甲子園を沸かせた“ミラクル佐賀北”の真実「ボコボコに負けるんかなって思っとった」帝京戦でじつは伝令拒否、がばい旋風はナゼ巻き起こったのか?
text by

日比野恭三Kyozo Hibino
photograph byJIJI PRESS
posted2025/08/15 11:04
2007年夏の甲子園決勝、逆転満塁本塁打を放ち、先に生還した3人の走者と抱き合って喜ぶ佐賀北の副島浩史
忘れられないおじいちゃんの関西弁「優勝やな」
――甲子園では試合以外のことも含めて、印象的だったことは何ですか。
副島 試合以外だと……朝の散歩で。
久保 あったね。「優勝やな」って。
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副島 そう。大阪のおじちゃんに「甲子園のチームか」って声かけられて。「佐賀北です」って言ったら「優勝やな」と。まだ1回戦とかですよ。その大阪弁が新鮮で、みんな「優勝やな」って笑いながらマネしてた。でもいちばんうれしかったのは、福井商との初戦で学校としての甲子園初勝利を挙げて校歌を歌ったことです。そこを目標にやってきたので。その次(宇治山田商)の再試合もでかかった。相手のピッチャー、最速148kmとかやったっけ。見たことないような球で、久保は毎回「速すぎるっちゃけどー」って帰ってきた。「お前ら打てさ」とか言って。

