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夏の甲子園“ナゾの初出場校”未来富山高校ってナンだ?「全校生徒24人中23人が野球部」「赤点だと練習参加は不可」その超意外な校風
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph byGenki Taguchi
posted2025/08/11 11:05
創部8年で甲子園初出場を決めた未来富山高校を率いる角鴻太郎監督。父はヤクルトで活躍した角富士夫さん
監督の父は元プロ野球選手
ヤクルトで19年間プレーした富士夫の長男である角は日大三、東洋大を経て現在は富山の介護施設で勤務する。未来富山で教えることとなったのは、自身が所属する会社を通じて「野球部の指導者が足りない」と声をかけられたからだった。そして22年にコーチとなり、23年の秋に監督に就任した。現在は午前中に介護施設で働き、午後はグラウンドに立つという“二足の草鞋”生活を送っている。
高校と大学。ともに全国優勝を経験する名門で研鑽を積んだからこそ、各地から未来富山に集まってきた選手の覚悟がわかる。
「僕も高校時代は甲子園を目指してやってきましたし、今こうして指導者の立場になって子供たちを見ていても、その想いの強さは何年経っても変わることはないんだな、と。この子たちは『富山でやりたい』と集まってくれたんで、目標に向かっていく気持ちは特にあると思っています」
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元プロ野球選手を父に持つ角ではあるが、「父も富山に住んでいるんで食事をすることはありますが、これといった助言を受けることはないです」と控えめに言う。
未来富山ではU18日本代表候補に選ばれるエースの江藤蓮が注目されているが、角が売り出すのはバッティングである。「打ち勝つ野球」を掲げ、監督がメリットと語る長い練習時間の多くを割き打ち込んだ成果は、夏の富山大会で結実する。

