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「MVP争いは大谷より“カブス選手”が優位」「誰もオオタニに勝てない」割れた大谷翔平のMVP予想…米国選手・記者に聞く「大谷翔平の今シーズン評価」
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水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byNanae Suzuki
posted2025/08/10 06:00
大谷翔平にとって3年連続4度目となるMVP獲得はあるか? アメリカで記者・選手に聞いた
MLBが今季から審判のストライク判定に対する評価をより厳格にした影響で、ストライクゾーンがこれまでより狭くなったとされている。多くの投手が対応を迫られ、狭くなったストライクゾーンに適応する作業が必要になった。バズもその一人で、こんな話をしてくれた。
「僕の場合は今季、非常に大きな修正に取り組んだ。スライダーの割合を減らしてカットボールの割合を増やしたんだ。それでも四球が多くなっているから、もっとストライク率を上げることが課題だ。ストライクゾーンが狭くなって、打者はバットを振ってくる率がかなり高くなったというのも感じる。どんな球でも振ってくるので、ストライクゾーンが狭くなったのかどうか、正直なところ実感が得られないくらいだよ」
その状況で二刀流のスゴみ
投手という仕事がどれだけ大変か。メジャーの投手たちがそれを一番良くわかっているから、二刀流を続ける大谷のすごさを理解している。もう一人、メジャー10年目のメッツのベテラン左腕ショーン・マナイアに話を聞くと、やはり同じことを言った。
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「二刀流は自分には無理。データ分析が発達した今は特に、投手が登板準備でやることがすごく増えた。データを完璧に有効活用しようと思うといくら時間があっても足りないくらいなので、以前は一生懸命にやっていたけれど今はあまりやらなくなってしまったけれどね。投手をやっていて本当に大変なのは、永遠にアジャストを続けなければならないということだ。常に改良や改善、修正という作業に追われている。それはひと月ごとや1試合ごと、さらには1イニングごと、1球ごとにもある。もし登板する日に感触の悪い球があったら、どの球が使えて、どうやったら相手打線を抑えられるかという方策を投げながら何とかひねり出さないといけない。メジャーリーグの高いレベルでやっていくには、とにかくアジャストの連続だ」
味方の攻撃中にベンチに座ってどうアジャストすればいいかを考えるのが普通の先発投手。だが大谷は、その考える時間も削って打席に立つ。だから彼は驚異的なのだと、投手たちは口をそろえる。
「MVP争いはPCAが優位」
米メディアの見方はどうか。

