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野球クロスロードBACK NUMBER
監督の表情はこわばり、ブラバンの姿はなく…甲子園“暴力事案”で揺れる広陵高 現地記者が感じたリアルは? 監督は「粛々と全力を尽くすだけなんで」
posted2025/08/08 17:01
1回戦で旭川志峯に3-1で勝利した広島の広陵を率いる中井哲之監督。試合前の取材対応では強張った表情を見せていたが…
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph by
Sankei Shimbun
連日盛り上がりを見せる夏の甲子園。一方で、フィールド外の出来事で喧しいのが広島・広陵高を巡る一連の暴力事案に関する報道だ。初戦を迎えた同校は、果たしてどんな状況だったのか。現地取材の記者がその様子をルポする。《NumberWebレポート全2回の2回目/最初から読む》
旭川志峯(北北海道)との夏の甲子園初戦を3-1で制した広島の名門・広陵高校。
一方で、その試合には通常とは違う異変がつきまとっていた。その理由は、広陵が現在、SNSを中心に大きな批判にさらされているからだ。
事の発端は今年の1月に起きた。学校や日本高野連の発表、報道内容を時系列で追うと、このようないきさつとなる。
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2025年1月22日。広陵高校の敷地内に建つ寄宿舎(清風寮)で、規則違反をしたとされる被害生徒(当時1年生)の部屋をそれぞれ個別に訪れた加害生徒4人(当時2年生)が、胸を叩く、頬を叩く、腹部を押す、寮の廊下で胸ぐらを掴むといった行為に及んだ。
その後、被害生徒の保護者から不適切な行為をしたとして他の生徒2人の名も挙がったが、聴取した結果、そのような事実はなかったという。
高野連からの処分は…「厳重注意」
同2月14日。事態を把握した当日に広島県高野連に一報していた広陵高校が、改めて同高野連に事案についての報告書を提出。被害生徒の保護者から「学校が確認した事実関係に誤りがある」との指摘があったため再度、部員に事実確認をしたが、新たな事実は発覚しなかったという。
同3月5日。日本高野連で審議委員会が行われ、広陵高校硬式野球部に「日本高等学校野球連盟会長名による厳重注意」が勧告され、加害生徒に対しては、不祥事が判明した日から「1カ月以内に開催される公式戦に出場ができない」という指導がなされた。

