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“ヤクザ監督”率いる島根・開星「14年ぶり復活勝利」のウラ側で…全国最長“夏の甲子園10連敗”隣県・鳥取が大苦戦のワケは?「全国との差は…」
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田口元義Genki Taguchi
photograph bySankei Shimbun
posted2025/08/07 17:00
甲子園の初戦で仙台育英に敗れた鳥取城北ナイン。これで鳥取県勢の夏の甲子園での連敗は10になった
それは、相手チームの指揮官である須江航の感嘆を聞けばわかる。
「見れば見るほど素晴らしい。大会屈指の投手陣だと思っていますんで」
だからこそ、もし相手が違っていれば、と思ってしまう。2015年から続く県勢の10連敗を辿ればわかる。
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2015 鳥取城北6-9鶴岡東
2016 境2-7明徳義塾
2017 米子松陰1-8大阪桐蔭
2018 鳥取城北2-3龍谷大平安
2019 米子東1-8智辯和歌山
2021 米子東1-4日大山形
2022 鳥取商0-10仙台育英
2023 鳥取商0-6履正社
2024 鳥取城北0-7明徳義塾
これらがあって今年の仙台育英と、日本一を経験する名門や甲子園常連校である。
「選手たちには『歴史を変えよう』と…」
鳥取城北の監督に「もし」をぶつける。法政大で指揮を執った経験を持ち、今年の1月からチームを率いる加藤重雄は、言い訳をせずに鳥取の低迷を受け入れていた。
「有名校ばかりだけど毎年、選手は変わりますから。高校生対高校生の野球の試合ですから、名前は関係なくどんな高校でも実力を出せるように。連敗は意識していないわけではないですけど、『歴史を変えよう』と試合前に選手たちには言いました」
加藤は鳥取西時代の1973年夏に甲子園出場を果たしており、初戦の相手が仙台育英だった。3-0で勝利した戦歴をゲン担ぎにしたかったとばかりに「そういう試合を想定していたんですけどね」と、苦笑する。
2025年夏の試合は、52年前の再現とはならなかった。
実は鳥取県勢の長らく続く苦戦のウラには、そのくじ運以外にも理由がある。
<次回へつづく>

