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「恐怖心を打ち払い未知の自分を出せた」中谷潤人が語る“来たるべき井上尚弥戦”「どんな状況でも対応するのが井上選手」「戦う場所は気にしていない」
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byShigeki Yamamoto
posted2025/08/20 11:06
WBC・IBF世界バンタム級統一王者となった中谷潤人が、“来るべき井上尚弥戦”について語った
「世界タイトルマッチで凄く暑かった野外の会場(2021年9月、アリゾナ)やラスベガス(2023年5月)もありましたし、どこでやっても構わない。言われるまでどの会場で試合をやったのか思い出せないこともあります(笑)。それくらい戦う場所というのは特に気にしていません」
井上戦を想定するなら、次戦はいよいよスーパーバンタム級での試合が有力視されている。ただ現状、表立った動きはない。井上も出場予定の12月27日、サウジアラビアでの「リヤド・シーズン」にラインアップされている、井上と対戦したカルデナスが候補に挙がっているなどといろいろと情報が回っているが、自分の名前が飛び交うことに悪い気はしていない。
自分らしいチョイスをしていきたい
「求められるところで、しっかり自分のパフォーマンスを出していきたいという思いはあります。個人的には(複数の選択肢があるなら)自分がワクワクするほう、心が動かされるほうに舵を切っていきたい。強さというのはチャレンジしていくこと。自分がそこに向かって楽しんでいければ、結果的に良くないチョイスだったとしてもそれでいいと思うんです。ワクワクを大事にするところというのは15歳のころから変わっていません。その思いを大切にしてきて今がある。プロボクサー人生はそう長くないし、これからも自分らしいチョイスをしていきたいですね」
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勝手に言葉を紐解くなら、井上戦があるからとリスクの少ないほうを選択するつもりは毛頭ない。強い相手をクリアすれば自分の強さにそのままはね返ってくることは、今回の西田戦でも手応えとしてしっかり残った。試練は大歓迎。一戦一戦、心が動かされるほうに舵を切っていくことで、さらに強い自分を手に入れられるという確信がある。
井上尚弥が近づいている。
ワクワクを力に変えて。もっともっと強くなって。
<第1回から続く>

