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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
「ビシエドは代打からスタメンに名を連ねてほしい」DeNA夏の緊急補強の真意を統括本部長に直撃! 阪神追撃へ「なりふり構っていられない」
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2025/08/02 17:00
今季途中に獲得したビシエド(右)に帽子をかぶせるDeNA萩原本部長(左)。阪神追撃へ、新戦力補強の真意を直撃した
先発に関しては想定通りというか、各投手が自分の仕事をしてくれていると思います。またリリーバー陣も盤石ではないにせよ、早め早めに調子のいい投手に入れ替えるなどして、前半戦後半から入江大生選手とローワン・ウィック選手が離脱しましたが、彼らがいない中でも何とか回し切れています。また今季は先発陣が長いイニングを投げてくれているので、リリーバーで試合が決してしまうといったケースは少なかったと捉えています。
——逆にこの苦しい状況にあって、ポジティブな要素や収穫はなにかありましたか。
そうですね……たくさんの苦難をもらっているということですかね。順調に行っていたら起こりえなかったいろいろな面で“問い”をもらっているとでも言うのでしょうか。なぜ我々はリーグ優勝に近づけないのか。
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かつて最下位が当たり前だった時代を経て、2016年ぐらいからAクラスがコンフォートゾーン(居心地のいい場所)になりはしましたが、ここを一段上げて「首位でなければ居心地が悪い」といった状況に、我々も含めベイスターズに関わる全ての人間がなっていないのではないかと考えたりもするんです。優勝へ至る過程として「お前らまだやれることはあるぞ!」という“問い”を、今はひたすらもらっているのかもと感じています。
シビアな状況から逃げずに誰もが向き合っている
——なるほど。
ただ、ポジティブなことを言えば、皆がそこから決して逃げてはいません。この状況で、例年なら出ていたかもしれない、無意識に現実から逃げてしまったり、他責にして誰かがやってくれるだろうといった空気はなく、誰もがチームにきちんと向き合っていると感じているので、そこはこれまでと違うところだと思います。
——「2位、3位では居心地が悪い」という意識は確実に芽生えている。
向き合って越えていかなければいけないものがある、といった意識はベイスターズ全体が持ちつつあると感じています。そういうステージに立たなければいけないんだと。
——しかし残り約50試合、30勝20敗では優勝には届きません。

