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「左ヒザ裏に痛み」でも…女子陸上・久保凛(17歳)が執念の2種目挑戦で“最後のインターハイ”にこだわったワケ「自分の責務を全うしようと…」 

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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photograph bySatoshi Wada

posted2025/07/31 17:02

「左ヒザ裏に痛み」でも…女子陸上・久保凛(17歳)が執念の2種目挑戦で“最後のインターハイ”にこだわったワケ「自分の責務を全うしようと…」<Number Web> photograph by Satoshi Wada

史上初となる高校総体800mでの3連覇を達成した久保凛(東大阪敬愛高)。世陸出場濃厚と言われる中で、高校最後の大舞台にも全力投球だった

 他の追随を許さず誰よりも速くゴールに駆け込んだものの、フィニッシュタイムは自己記録よりも3秒近く遅い2分2秒34だった。

「タイムも何も考えないんだったら、率直に3連覇することができて、うれしいっていうよりも、とりあえず安心しました」

 この種目で誰も成し遂げたことがなかった3連覇の快挙を果たし、安堵の言葉を口にしたものの、久保は笑顔を見せなかった。

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「(脚が)動かないけど、ラストのインターハイなので、全力を出して終わろうと思ったので、全力は出し切れたかなと思います」

 やりきったという思いと悔しさとがない混ぜになっていたのだろう。

 最後のホームストレートを駆け抜けた時の心情を問われ、レースを振り返るうちに、久保は思わず目頭を熱くさせた。

「ラストのインターハイで、タイム的にも納得いかず、何本かレースを重ねるうちに体が疲れていた。まだ自分の弱さがあるのかなと思うので、もっと強くなれたらなと思います」

 言葉に詰まりながらも、久保はこう固く誓っていた。

レース後には仲間を応援する一幕も

 自分の出番が終わると、久保は仲間の応援に回った。競技の進行が遅れて午後9時に迫っていたが、この日の最終種目の女子3000mには後輩の長谷川結都(2年)が出場していた。

 総合得点で1位の学校とはすでに8点差が付いており、厳しい状況になっていたが、最後まで諦めずに久保は声援を送り続けた。スタンドでも、高校生らしい一面を覗かせた。

 結局、母校の総合優勝は叶わなかった。

 それでも、文字通り全力で駆け抜けた、“高校生”久保凛の最後の夏だった。

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